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地方局女性アナウンサーのニュースキャスター後。ーNSTの場合。

 東京キー局と比べて、地方ローカル局は自社制作番組が少ないこともあってアナウンサーの活躍の場がそれほど多くはない。           そんな、希少な出演番組の中でも夕方のニュースキャスターは、特に女性アナウンサーにとって花形であり、と同時に「上がり」ともいえる肩書である。「上がり」というのは、ニュースキャスターを卒業後はいろいろな理由でそのテレビ局を退社することが多く、同時にその地域のテレビからは消えてしまうという意味でそう言っている。エリアによっては事情が異なるのかもしれないが、少なくとも私の住んでいる新潟ではそうである。 

 ところが、そんな新潟の中にあってNST新潟総合テレビ(以下NST)は独自の路線を敷いている。ニュースキャスターを卒業し局を退社しても自社制作の情報バラエティ番組に出演することが非常に多いのである。

 その流れの始まりを形成したのが今から19年前、2001年に現在も続く「スマイルスタジアムNST」(スマスタ)の初代MCに大坪幸代アナとともに起用された柳華織アナである。彼女の場合、正確に言うと卒業後ではなくニュースキャスターをやりながらの出演であったのだが、それでも他局にそのような例はなく、大抜擢であった。そして番組内において柳アナは、キャスター時のお堅さからは想像もできない毒舌キャラで番組草創期を大いに盛り上げた。(この当時スマスタはMCを含めた出演者中5人が同局の女性アナウンサーであり、それぞれキャラの立った5人がレポートやスタジオトークでいかんなく個性をぶつけ合う様子はNSTはおろか他の新潟の局にも例がない革命的な番組であった。その後のNSTにおける自社制作バラエティの方向を決定づけたという意味でも、私はこの番組のスタートを「2001年スマスタ事変」と勝手に呼んでいる)

この後もその傾向が続き、4人もの女性アナウンサーがキャスターから情報バラエティのMCになっている。

スマイルスタジアムMCの中田エミリーアナ。新潟県民には言わずと知れた強烈ネアカキャラで、むしろニュースキャスターをやっていたのが意外である。

八千代コースターMCの廣川明美アナ。こちらはキャスターぶりが板についており、情報バラエティへの復帰は意表を突かれた。ときどき天然ボケをかますのが微笑ましい。

八千代ライブ(現在は休止中)MCの水谷悠莉アナ。この3月まで八千代コースターにも出ており、「水谷カンペ読むってよ」のコーナーでは他の人にはないコメディエンヌ的な能力を発揮していた。

そして4月からは八千代コースターのMCに、3月までニュースキャスターをやっていた杉山萌奈アナが加わった。私の仕事の関係でまだ3回ほどしか見れていないが、どうやらおっとりほんわかキャラのようであり、今までの4人とはまた違った魅力で番組を盛り上げてくれそうである。

最初に述べたように、地方局において夕方のニュースキャスターは女性アナウンサーにとって到達点の要素があり、慣れ親しんだアナウンサーがその地位に就くと「ああ、もう何年かで新潟からいなくなってしまうんだな」と思い、一抹の寂しさを覚えるものである。そんな中でキャスターを終えたアナを引き続き新潟で目にすることができるのはやはりうれしいし、その活躍の場を与えてくれるNSTの姿勢には感心させられる。

自社制作番組の充実ぶりもさることながら、そのバラエティ度の高さでは他局を一歩リードしている感のあるNST(県内にゆかりのある芸人も多く出ている)。これからも女性アナの素の魅力を引き出すことに期待したい。   

#新潟アナウンサー #女子アナ #テレビ番組




     

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