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第4回焼畑フォーラム in 余呉が開催されました

2024年3月23日、滋賀県長浜市で第4回焼畑フォーラムが開催されました。

「焼畑フォーラム」とは?
日本全国の焼畑実践者が一堂に会して各地の焼畑の特徴や課題などの情報を共有しながら、焼畑の将来像を論ずることを目的とした焼畑実践者の集いです。
初回は2017年3月に宮崎県椎葉村で開催されました。第2回は2019年3月に静岡市で、第3回は2022年3月に滋賀県長浜市で開催されました。

『焼畑が地域を豊かにする』鈴木玲治先生による1章より

第4回の参加団体

今回は、新潟・山北(こだわり工房 えん)、福井・味見河内(福井焼き畑の会)、滋賀・余呉(火野山ひろば)、山梨・奈良田(一般社団法人ほらじゅう)、島根・奥出雲(森と畑と牛と、里山焼かんかね?)、熊本・水上(水上焼畑の会)、新しい地域として福島・湖南町、山口・長門、高知・黒潮町でスタートされた活動の報告がありました。

気候変動の影響による火入れの時期のずれ、虫やサルによる被害、など実践における困難のほか、どのような作物を栽培しどのように調理しているか、といったことなどが共有されました。

新たに焼畑を開始された地域のチャレンジが興味深かったです。東京農工大学の東海林蓮さんは、福島県郡山市湖南町の高校生も巻き込んで焼畑をおこない、耕作放棄地を解消する試みを発表されました。卒業論文を執筆され、2023年度の「ヤンマー学生懸賞論文・作文」に入賞されたそうです。

また、山梨・奈良田の中学2年生の上原梅音さんは、地域に数百年にわたり受け継がれてきた焼畑を文献などで調べられた結果を発表されました。
「村が一丸となって団結し、安定した暮らしが可能となり、民謡文化、食文化が築かれたのではないか。その中心には、焼畑があった」「いつから、どうして、焼畑がおこなわれるようになったのかはわからなかったが、生業として続けてきた奈良田の人たちをすごいと思うし、それに私も誇りを持ちたいと思っています」と締め括られました。

焼畑実践団体間の情報共有の場に立ち返り、裾野をさらに広げることを目的に開催された今回のフォーラムですが、実践を未来につなぐため、挑戦を乗り越える知恵を共有する貴重な場となっていることをあらためて実感させられました。

このフォーラムが直接的、間接的なきっかけとなって、焼畑実践の輪は着実に、そして確実に広がっています。

火野山ひろば

大石高典先生のXより。

福井 味見河内の焼畑

福井焼き畑の会の取り組みが取材され、朝日新聞のYouTubeで配信されています。

島根 奥出雲の焼畑

「森と畑と牛と」さんのXより。

ほかにも、情報を見つけましたら随時更新させていただきます。

書籍「焼畑が地域を豊かにする」の紹介

小社は2021年に「焼畑が地域を豊かにするー火入れからはじめる地域づくり」という書籍を刊行させていただきました。現代にひろがる焼畑実践の盛り上がりと、その現代的意味を考える本です。この本を手に取っていただき鈴木玲治先生に連絡を取られ、焼畑をはじめられたという方もいらっしゃいました。本がこのようなつながりを生み出していくことを、とても嬉しく思います。

第3回焼畑フォーラム(2022年3月22日開催)の記録

2022年に開催された第3回は、オンラインで同時配信されました。その記録は、以下でご覧いただけます。

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