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食べる事は大変です⑥

 前回、消化管を十二指腸まで説明しました。

 今回は、十二指腸の先、小腸です。
 
 小腸は、十二指腸終点のトライツ(Treitz)靭帯から始まります。
 トライツ靭帯は、十二指腸を後腹膜と言う腹の中にある空洞(腹腔)の後ろ側の壁に、固定する役割があります。

 そこを出た腸管は、一般的には小腸と言われ、長さは約6メートルあります。小腸のうち、最初の40%は空腸と言われ、後の60%は回腸と言われます。空腸と回腸にははっきりした境目が無く、なんとなく移行します。
 腹腔内では、6メートルの腸管が、自由にヌラヌラ動いている訳ではなく、腸間膜と言う膜状の組織で後腹膜に係留されています。
 腸間膜は、構造的には扇子みたいな感じで、手で持つ要の部分が、点ではなく線で後腹膜に付いています。骨の部分が、腹部大動脈から枝分かれした腸管に行く腸間膜動脈です。腸管は扇子の一番外側に有って、中骨の腸間膜動脈から血液を供給されます。
 腸間膜は、ピンと張っているわけではなく、かなり余裕があるので、腸管はある程度、自由に動きます。
 もし、腸間膜が無いとすると、腸管は自由に動き回りすぎて、こんがらがって縛ってしまったりして、腸管内が閉塞して腸閉塞になってしまいます。なので、腸間膜で緩く固定されていて、絡まないようになっています。
 ただ、極たまに、そんな腸も捻れて腸管の内腔が潰れて腸閉塞になったり、腸間膜が捻れて、中を走っている腸間膜動脈も捻じれて閉塞してしまい、腸間膜動脈閉塞症といわれる重篤な状態になったりします。

 今回は、小腸の構造。
 次回は、小腸における栄養の吸収です。

 消化管のもう少し細かい話です。
【胃腸.jp】胃腸に効くまとめサイト|医師監修 (ichou.jp)

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