『小説とは何か」を読む(3)
生き残る精神 三島は「小説とは何か」の中で、人の生き死にについて次のように語っている(741~742ページ)。
ここで肉体が生きている/死んでいるとは、通常の意味で人が生きている/死んでいるということを意味しているであろう。では、心が生きている/死んでいるとはどういう意味であろうか。肉体が死んでも心が生きている場合があるとのことだが、これは、何らかの心霊現象の類のことでないとすれば、その人の精神が人々の心の中に生き続けているというようなことを意味しているのであろう。続きを読