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温泉に浸かる前に店を探す旅。

こちらも先ほどのなまはげに合わせてやっつけ流し気味にお送り。
こぎれいな館の方ですが、男鹿中のなまはげが大集合しており、それはそれは壮大な有様でごじゃりました(後ほど動画をまとめる予定)。

男鹿半島はずっと半農半漁で、それはそれは自然と調和しないと生活が厳しい。かえってどちらかというと自然の恩恵よりも、厳しさを痛感させられることの方が多かったのだろうと推察する。それをふまえてのなまはげ信仰なのかもしれない(台風の件があったのでより一層そんなことを思ってしまった)。なまはげがあることで男鹿が少しでも潤えばこれ幸いだと思う。
なまはげは文化!

さてさて、そんなこんなで概ね本日の行程を消化した我々は次なる目的地の前に寄り道をすることにした。

「はたして半島にコンビニエンスはあるのか?」という疑問があったからである。

G先生の地図によると、民宿の周りに大手コンビニエンスは見当たらず、「フードショップまるしち」という外観を含め、ほぼ9割某Yショップだと思われる商店しかない状況。選択肢がほぼないというのはある意味好都合だ。迷う必要はなく、一気呵成に細道を突き進んでいく。

2日前にリリースされたドラクエウォークをやりながらではあったが、目的地付近に到達しても一向に店は見当たらなかった。
「あっ、これか。」
地図上で明らかに通り過ぎたと思われたため、道を引き返したところ、まるしちだと思われる建物は完全にシャッターが閉まっており、もう店を畳んだのではないかという風情なのであった。

むむむ、と我々は鼻息を荒くした。
実際の天気とは違って、雲行きは非常に怪しい。男鹿まで戻ればコンビニエンスはありそうだが、ここから逆走するのは少し違う気がする。仕方がないので、せめて簡単なつまみだけでもと淡い期待を残し、近くに表示されていた秋田版ホーマックであるホームセンターニコットに向かった。

「あれ、こっちだっけ?」
海辺の町は起伏が激しく、道路はぬらぬらと弧を描いており、ただ来た道を引き返すだけでもここが一度曲がった角であったかも一目では自信を持てない。
またまた行き過ぎたのかと思った矢先、その角に新しめの二階建てプレハブがあった。目に付いた表示案内には2Fはタクシーの営業所、1Fはうきた商店とある。
これはしめたぞ、と思った。
店内は白基調で明るく、清潔感のある農産物直売所のようなところで、地元の生活を支える安定感を感じた。
海産物も置かれていて、夕方であったせいかアジが値引かれて、一尾50円となっていた。支えも1個80円くらいであった。価格破壊も大概にしてほしいものである。
「これを民宿でさばいて貰えれば」と思ったが、それは言わないお約束だ。K氏は抜かりなく、ナイアガラという滝のような名前の白ブドウを一房買っていた。これも200円を切っていた。大手スーパーが頭を抱える図が、パッと思い浮かぶほどめちゃくちゃ安い。
ホクホク顔で店を後にし、我々は旅行の醍醐味のひとつ温泉に向かうことにした。

その間に古めかしい商店に足を踏み入れたが、K氏の求めていた「新政」その他の掘り出し物には出会えず。店番をしていたおばちゃんは大音量で相撲を流し、ゴールデンタイムを楽しんでいた。きっと我々は招かれざる客であったことだろう。

男鹿温泉郷は男鹿半島の北部の海沿いにある。男鹿半島を、西を向くエヴァンゲリオン初号機の横顔に例えるとちょうど左目の当たりだ。この入口にも御多分にもれずなまはげ像が建立されていた。
本日は男鹿ホテルでひとっ風呂浴びることした。露天風呂は少し熱めでちょうどよく、ヒリヒリとした泉質は車中泊明けの体を十分ほぐしてくれた。また、海は見えなかったが、大きな石垣が重厚感のある印象を与えてくれる。いい湯であった。
ここまでの街の様子は、関東人の私に銚子の犬吠埼のあたりを想起させた。ぜひ、そちらも行ってみて頂きたい。

その後、男鹿ホテルに宿泊している一向の後に続き、令和の時代にまだ生き残っているのが不思議な商店セカンドチャンスをしたが、またまた成果はなかった。

宿泊予定の民宿までの道はとっぷり日が暮れていて夕焼けを眺めることはできなかったが、それはまたの機会に。日本海の初秋の柔らかな風を感じて今日の行程は終了!

とりあえず民宿では、豪勢な料理をたらふく食べて、日本酒を飲んだため、詳細は記憶にございません。幸せだった気がします。