現在の上位36人予想(サラリーマンスカウトさんの動画を見た方は読まなくていいです)

今日のnoteはこの動画を見ていただければ、これ以上は読まなくていいと思います。先日、サラリーマンスカウトさん(YouTubeやtwitterではおなじみの方です)から、上位36人予想をしてほしいという依頼を受けまして、頼まれたからには真剣に予想しようと思い、過去5年間の上位指名(+4巡指名の最初の4人)について、各方面から分析したデータベースを作り、それを眺めながらいろいろと考えたものを紹介していただきました。

動画内でも、サラリーマンスカウトさんが選考基準について端的に紹介してくださいましたが、あまり冗長にするのも、と思い、細かくは伝えませんでした。こちらのnoteでは、その辺りの細かいデータ根拠を紹介しつつ、なぜそういう選考になったのか?についてまとめていきたいと思います。御託はエエねん、予想だけ見せてくれたらエエねんという方は、目次の5番目まで飛んでください。例によって今回も、データはドラフトレポートさん準拠です。それでは、れっつらごー。

スペック面から考える

まずはスペック面から。2016年ー2020年の上位指名者の身長MAX球速50mタイムといったところから考えていきます。

①身長➡180㎝以上or未満

②MAX球速➡150km/h以上or未満

③50mタイム➡6.0未満orそれ以上

といった基準があるように感じられました。なお、MAX球速に関しては、左腕は147km/h、サイドスローの場合は145km/hが基準になりそうでした。この基準をひとつも満たさない上位指名となると

2016年 酒居知史 高良一輝

2017年 藤岡裕大 岸田行倫

2018年 根尾昂 太田光 増田陸 大貫晋一 木浪聖也 野村大樹 山野辺翔

2019年 海野隆司 上野響平

2020年 渡部健人 牧秀悟 伊藤将司 牧原巧汰 土田龍空 内山壮真

という面々になります。最も圏外の選手が多い2018年でも、上位指名のうち80.6%がこの基準の少なくともひとつを満たします。ただ、さすがにザックリしすぎていますよね。更に他の事例について見てみましょう。

全国大会・国際大会への出場歴から考える

こちらも、上位指名の要因として大きなファクターです。高校生なら甲子園に出れば知名度が上がってファンのウケもよくなりますし、大学生・社会人の場合、リーグ内や地方予選だけでは体験できないハイレベルな環境下でも結果を出せるか否かの指標になります。何より、スカウトがお偉いさんに選手を推薦する際、「甲子園にも出ています」「全国大会にも出ています」「代表チームに選ばれています」といえば説得力が違います

前述の面々も、19名いるうち、上野響平と牧原巧汰以外の17名が該当します。つまり、36名×5年分=180名のうち178人が、何かしらは該当しています。何も該当していない選手が上位指名されるのは相当なレアケースであるということが伺い知れたかと思います。

言い忘れていましたが、記事やスカウトのコメントで「上位候補」及びそれに準ずる言葉が出てきた場合、上位指名される確率は上がります。特に大学・社会人の場合は確率が高いです

世代の配分から考える

これまでは、上位指名される選手の基準についての話でした。ここからは、幾つかの切り口から、指名される選手の配分について考えていきます。まず、世代別の配分についてです。グラフをご覧ください。

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これを見てみる限り、高校生の比率はほとんど変わらないということ、大学生の指名が多い年は社会人の比率が下がるということが分かってきます。なお、社会人選手の上位指名基準は、投手でも野手でも、都市対抗や日本選手権に出ていること。特に野手は、最低でも1本は全国大会で長打を放っていることです(例外はありますがごく僅かです)。

今年はどうか、と考えてみると、高校生は例年どおり13人前後で、大学生はそこそこ良質15-16名ほど思い浮かびます)、残りが社会人(+独立リーグ)かなと思います。正直、社会人も例年と比べると少し名前が浮かんでこない年なので、独立リーグの選手の上位指名もあり得る気がします。

利き腕や守備位置から考える

続いて、投手は利き腕、野手はセンターラインか否かで考えていきます。難しいのはプロ入りにあたってコンバートされた場合なのですが、アマ時代にそのポジションで少なからず試合に出ていた場合や、身体能力的にはコンバート後のポジションを十分守れるだろうと思われる場合はコンバート後のポジションとして換算します。逆に、センターラインの選手だったけれどプロ入り後にそれ以外のポジションにコンバートされた場合、センターラインの選手として換算します。ややこしいですが、ドラフト前にセンターラインの選手としてこちらが認識可能かどうか という観点で考えたいからです。

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これを見ていただけると分かってくるのは、それまで上位指名のうち50%前後を占めていた右腕が昨年は40%割れしており、左腕がかなり増えていること、2016年は例外として、野手全体としてはいつも40%前後ながら、センターラインの人数は年による差が大きいということでしょうか。ただ、母数が36なので、実際は見た目より人数の差はなく、例えばセンターラインも、少ない年で9名、多い年で13名なので誤差の範囲と言えば誤差の範囲です。

左腕の上位指名も、年によるばらつきが大きいですが、MAX球速の速い左腕がどれだけ市場にいるかというのが大きいです。左腕でも上位指名となると少なくとも147km/hは必要で、150km/h以上だと故障や絶不調といった理由がなければ、ほぼ上位当確。今年は社会人の大卒3年目までや、独立リーグの投手を含めると、なんと16人もの左腕がMAX150km/h以上を記録しています。社会人の3名ほどは殆ど登板していないとはいえ、かなりの人数です。上位指名の中にも10名ほど入ってくるのではないでしょうか。恐らくその影響で、今年は右腕の上位指名が昨年同様、少なめになると思います。そこまで魅力的な右腕は多くないですし、妥当かなと見ています。

上位36名、こう予想しました!

ようやくです。先に目次から飛んできてくださった方は賢いかもしれません。それでは、サラリーマンスカウトさんの動画に載っている順に、ファクターを満たしているか否かも見ながら選手を見ていきましょう。❶身長180㎝以上❷MAX150km/h以上or50m6.0未満❸全国大会or代表出場歴 として、クリアしている場合は番号を選手名の横に書いていきます。

小園健太(市和歌山)❶❷❸

風間球打(明桜)❶❷

佐藤隼輔(筑波大)❶❷❸

森木大智(高知中央)❶❷

北山亘基(京産大)❶❷

阪口樂(岐阜第一)❶

隅田知一郎(西日本工業大)❷❸

廣畑敦也(三菱自動車倉敷)❷❸

山下輝(法政大)❶❷

黒原拓未(関学大)❷❸

三浦銀二(法政大)❷❸

達孝太(天理)❶❸

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ブライト健太(上武大)❶❷❸

桐敷拓馬(新潟医療福祉大)❷

正木智也(慶應大)❶❸

森翔平(三菱重工west)❸

鈴木勇斗(創価大)❷

古賀悠斗(中央大)❸

野口智哉(関西大)❶❸

木村大成(北海)❶❷❸

椋木蓮(東北福祉大)❷❸

藤井健平(NTT西日本)❷❸

有薗直輝(千葉学芸)❶

吉野創士(昌平)❶

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高木翔斗(県岐阜商)❶❸

山田龍聖(JR東日本)❶❷

長谷川稜佑(青森大)❶❷

梶原昂希(神奈川大)❶❷❸

羽田慎之介(八王子学園八王子)❶

松浦慶斗(大阪桐蔭)❶❷❸

鈴木大貴(TDK)❶❷❸

水野達稀(JR四国)❸

中川智裕(セガサミー)❶❸

粟飯原龍之介(東京学館)❶❷

坂巻拳(三菱自動車岡崎)❶❷❸

赤星優志(日大)❷

高校:大学:社会人=12:16:8

右腕:左腕:センターライン:それ以外=11:12:9:4

およそ、例年の比率から大きく外れることのない人数でまとめてみたつもりです。なお、12人ごとに区切っていますが、まだ、1位予想などをする予定もないので、単に見やすくしただけと考えてください。

そのほかの候補は?

と聞かれそうなので、以下にまとめます。

高校では泰勝利(神村学園)。身長173㎝ですが真上から無理なく投げてくるフォームでMAX148km/hまで伸ばしてきている左腕です。右腕としては身長が少し低く、故障歴はありますが、畔柳亨丞(中京大中京)も可能性はあります。少し背が低いですがセンバツで打ちまくった捕手・松川虎生(市和歌山)も見逃せません。

大学では、MAX154km/h右腕の飯田琉斗(横浜商科大)がもしかしたら。東都二部ながら俊足と高打率が売りのショート・峯村貴希(日大)も、少しショートが薄い今年はチャンスありそう。大型捕手の久保田拓真(関大)は今春3本塁打で長打力開花。高評価してくる球団はありそうです。

社会人では、日本選手権でMAX153km/hのストレートを見せてロングリリーフした横山楓(セガサミー)が上位候補に名乗りか。中村伊吹(HONDA)、高橋佑樹(東京ガス)といった、ゲームを作れる先発左腕も、伊藤将司(JR東日本→阪神)の成功により、着目されるかもしれません。

独立リーグで、MAX155km/hのストレートを武器にクローザーを務める石森大誠(火の国サラマンダーズ)も、左腕でこの球速に到達しているのは破格ですし、リリーフ専とはいえ上位で名前を呼ばれる可能性はあります。

おつかれさまでした!

前置きが長くなったため、少し長めの投稿になってしまいました。しかしながら、上位予想で、単に好選手の名前を並べていくのは僕の趣味ではないです。なぜそう思ったのか。A選手ではなくB選手である理由は何か。まずは根拠を考え、そこに当てはまりそうな選手をはめていくのが僕のやり方です(これに関してはサラリーマンスカウトさんもしっかり紹介してくださいました。ありがとうございます)。

プロ野球中断期間なので、幾つかのnoteを上げてみようかなと思っています。あと2つほどネタはあるので、週に一度ほど投稿出来ればいいかなと思います。それでは、ばいば~い。

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