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「出会い×職業奉仕×DX(デジタルトランスフォーメーション)」

「出会い」は、生活の一部で突然起こる。

 
私は、ビルメンテナンス業を経営する中、8年ほど前、突然、地域活動をはじめた。三島商工会議所青年部とNPO法人みしまびとに訳も分からず、仲間や先輩から自然と引き込まれた。しかしそれは、強制感はなく、流れのままに、楽しくそして良い仲間づくりになり、心地よい関係性の元、無我夢中に何かの役に立つと信じ、事業をこなしていった。
 
※1 NPO法人みしまびと https://mishima-mirai.com/
※2 三島商工会議所青年部 https://mishima-yeg.jp/

その中から自然と仕事も生まれ、また仲間や先輩から、仕事の成立の仕方を教わった。仕事が成立する時を、釣りで例えるなら、直接、魚である仕事をもらうこともあったが、なんといっても仕事を成立させる上手な魚の釣り方(仕事を成立させる方法)や、魚を釣るための周辺の準備や整理の仕方をたくさん教わった。



最近感じることは、生活の一部に、教えてもらえたり、相談できたり、刺激をもらったりする人と、出会える場所やコミュニティーを持っていることは大切だということである。私の場合、あくまで、それが一時的であったりするのではなく、無理なく、生活の一部であることが重要だと感じる。
 
昨年、この二つの組織のほかに、もう一つの団体に加盟した。三島西ロータリークラブという歴史も長く格式の高い団体である。そこでは、「職業奉仕」という概念を教わった。奉仕に学び、自らの職業で奉仕するということらしい。この地域に住む方に必要とされる企業になり、長くこの企業に働きたいと思う従事者を増やすことによって、少しでもこの地域の雇用を増やすことができれば、地域の役に立つのかと考えるようになった。
 
※3三島西ロータリークラブ 

まだ「職業奉仕」という概念は勉強中であるが、直接的な地域活動によっての奉仕だけでなく、自らの仕事が地域に役立つことについても考える必要があり、地域課題が自らの仕事でできるようになったら、素晴らしいとも思うようになった。
 
まだまだ、私の考えや、私の会社は貧相なものなので、そういった境地には、たどり着くことはできないが、そこに向けて進むことが、良いことなのだろうと今のところ感じている。
 
そういった仲間や先輩からの教えもあり、そして助けもあり、特にこの数年間は、会社の業績もあがり、また地域活動や職業奉仕に労力を注ぎたいと思う好循環が形成されたと思う。しかしながら、会社が拡大するにつれ、会社の組織を大きく、強くしていかなければならないことに、課題を抱えていた。
 
社員も20名以上、パートも含めると150名程の組織になり、現業である業務部の社員は、良い雇用ができ、良い品質が担保できる状況が作れてきたが、組織が数倍に拡大しても、同じ人数のまま仕事量だけが増え、改善できていない部分が、バックオフィスである経理・総務・労務部門であった。
 
家族経営からスタートしているため、経理を主に母親、総務と労務を妻が行っており、家族ならではの効率とコミュニケーションにより、この分野の生産性は高いのだが、すでに現状でも手いっぱい感は否めなく、これ以上、仕事の契約が増え、人も増えれば、パンク状態であった。母も高齢でこの先、仕事量を増やすこともなかなかできず、しかしながら、健康面や生きがいなどを考えると仕事を辞めるという選択肢はなく、しかし、いつまでやってもらえるのかも不安であり、そうなると、この部門においても人を増やせばよいと思うのだが、このバックオフィスに至っては、家族の中に、他人が仕事をするのも問題点がいろいろとでてくるのだ。
 
近々の課題ではないにしても、中期的には重要な課題であり、経営にも支障が出てくるような、大問題であって、頭のどこかに常に課題を抱えていた。
 
しかしながら、私には、普段の生活の中にある活動によって、仲間に相談し、解決できる糸口が見つかるという素晴らしい場所やコミュニティーを持っている。


 
頭の片隅にその問題を抱え、地域活動をしている中で、最近すごく仲が良くなった仲間とのお酒の席で、すでにその会社は、現業の各分野までIT化し、会社組織にとどまらず、そのソフトウェアを作成し同業他社にまで販売していこうという、「攻めのDX」を行動にうつしている仲間の話を聞いた。
 
このことから、DXについていろいろと調べるようになり、今の日本の社会の少子高齢化による人手不足の解決策についても目的の一つであるということを知り、私の会社のような労働集約型産業は、実際に人の手で作業をしなければならない部分以外の生産性の向上は、手がけなければならいという必要性を感じた。
 
そこですぐに、その仲間のコンサルティングをしているDXのプロにつないでもらい、私たちの会社の課題をどのように解決していけばよいかのアドバイスをもらい、まずはクラウド会計の導入に踏み切る決断をした。
 
簡単に相談できる場所やコミュニティーを持っていなければ、ここまでのプロセスに、随分と時間と労力とお金をつぎ込んで、解決するのだが、いとも簡単にトントン拍子に事が進んでしまうとあらためて感じるのである。その場所にいる大切な仲間には、本当に感謝しかない。

コロナ禍で新たなステップへ

次のステップは、このクラウド会計を導入してもらえるコンサルティング会社を設定し、運用することをこのコロナ禍で行うことである。
 
結果論だが、このコロナ禍が功を奏し、長崎にある会社と契約でき、ZOOMによるコンサルティングにより導入が完成した。これは、コロナ禍でなければZOOMでクラウド会計を導入するということも考えなければ、もちろん静岡にある会社が、長崎の会社に仕事を依頼することもなかったと思う。

また、そのコンサルティングの方が、長崎の地で地域に思いを持ち、その自分のビジネスは地域活性の実現の手段であり、またビジネスを通じて地域社会・国民国家に貢献したいという思いを持つすごい共感共鳴できる方であったことも、おもしろい出会いであった。
 
小さなことだと思うが、このクラウド会計を導入できたことに関わった方との出会いが、会社組織を強くし、今後も地域に貢献できる組織体制にしようとあらためて思わされる出来事であった。
 
実際の効果は、クラウド会計を導入したことにより、見積、納品、請求、売掛の一元管理による社員間の共有や利便性も向上し、経費計上・清算はスマホで空き時間を利用し処理でき、買掛の管理は、クレジットカード・決済サービス(amazonやENEOSなどの燃料費)をできる限り会計に同期するなど、簡単に経理部門の労力の削減ができた。勤怠も各自のスマホ入力によりが会計ソフトウェアに同期され、労務管理の省力化になった。
パソコン上でゲーム感覚で、数字合わせをしていけばかってに、経理が完了するという優れものでもある。また、銀行とも同期できているのでキャッシュフローの見える化にも役立ち、リアルタイムに財務状況の把握ができるというメリットも得た。
 
私の母親の仕事量は3分の1以下になり、今のところバックオフィスを増員させなくてもいい状況を手に入れたこと、財務を簡単に掌握できる仕組みを手に入れたことと、直接的にお金を生まない部門に人やコストをかけないことが、フロントオフィスに良い影響を及ぼす組織にできたと思う。
 
地域の大先輩に、「自分の会社がうまくいってから地域活動をするべきだ」という言葉を思い出すが、生活の一部に良い出会いがあり、課題を解決できる状態にあることは、本当に恵まれていると感じる。自社の課題が大きいままでは、大先輩の言うとおり地域に貢献する行動ができるとは思えない。だからこそ、自らの成長により常に安定した会社組織の運用の必要性を感じている。
 
まだ私の会社は、業務処理の効率化や省力化という「守りのDX」へのチャレンジだけであるが、本来従事しなければならない業務に労力を注げるという業務プロセスの変革が、働く人の定着率の高さや働きたいと思ってもらえる企業になることにつながり、その結果、契約や雇用の拡大につながり、地域社会に貢献できるような組織になれたら良いとあらためて感じる1年になった。

株式会社三島美装 代表取締役
杉崎亮慈

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの記事は、2021年の三島の人達 Advent Calendar 12月6日の記事です。

今年のテーマは「三島で起きた25のチャレンジ」。
多様な人達による様々なチャレンジが生まれた2021年。それぞれの言葉から三島の魅力が伝わると嬉しいです!ぜひ他の記事もご覧ください🤩

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