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yamabra disk: WILL SANTT / Meu Caminho

今年最後の一枚はやはりブラジル音楽で締めくくります。

この人、全く知らない人でした。こういう弾き語りのようなシンプルな形態でBossa Novaをベースとしながら、さらにアップ・トゥ・デートされた音楽を志向する、そういう若く新しい人たちがもっと出てきても良いなぁと思っていて、そんな僕の期待に叶ったのがこのWill Santt(ウィル・サント)です。サンパウロの若きシンガー・ソングライターで多楽器奏者、そして詩人です。まだ20−21歳らしいですよ。

シンプルな弾き語りです。囁くようなやや不安定だけれど極めてジェントルな歌声。加えてトラディショナルなBossa Novaのバチーダとは違った、よりヴァラエティに富んだギターの奏法と、その音楽性はBossa Novaにとどまらず、よりユニバーサルでフォーキーな方向性を感じさせます。

11 歳のときにBossa Novaに出会ったそうで、本作では全て自身のオリジナルですが、YouTubeの動画などを見ると、Joao GilbertoやTom Jobim、そしてDjavan、Caetano VelosoなどMPBのアーティストたちの楽曲を彼の解釈で演奏しているようです。伝統を引き継ぎ、革新していくのは若者です。

大晦日の夜に聴いていただきたい、洒脱で穏やかなアルバムでした。


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