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【読み切りショートドラマ】秋の日のシャッターチャンス

●公園のベンチ(朝)

秋の澄んだ空気が漂う公園。色づいた木々と落ち葉が風に揺れる中、秋野くん(20代前半、少しぼんやりした雰囲気)がカメラを構えている。ベンチに座って、何かをじっと待っている様子。

周りを見回すが、特に何も起こらない。小鳥が飛び、子供たちが遊んでいるが、秋野くんは少し困った顔をする。

突然、公園の道を大急ぎで走ってくる犬が現れる。(ラブラドールとか)
秋野くん、怖がってベンチから立ち上がって後ずさる。
犬は秋野くんのカメラバッグに突っ込み、ぐちゃぐちゃにする。

秋野くん: (あたふた)わっ、やめて! 僕の大切なレンズが!

犬の飼い主(若い女性、秋野くんと同世代)が慌てて駆け寄ってくる。

飼い主: (慌てた様子)ご、ごめんなさい!アキナが急に走り出して…。

秋野くん: あきな?

飼い主: ええ、アキナです。前にもお会いしたことありましたっけ?

秋野くん: あ、いえいえ。あの、ぼく、秋野っていうんです。

飼い主: (一瞬きょとんとして)あ、そうなんだ(笑う)。アキナ、もうやめなさい!

二人、笑う。

犬はなおもバッグを嗅ぎまわっているが、秋野くんはそれを見て何か思いつく。

秋野くん: あの…アキナちゃん撮ってもいいですか?

秋野くんはアキナにポーズを取らせようと奮闘する。
アキナはなかなか言うことを聞かず、カメラに向かって走ったり、寝転がったり。
飼い主は戸惑いながらも微笑んでいる。

飼い主: (笑いながら)アキナ、全然モデル向きじゃないかも…。

秋野くん: (カメラを構えながら)いや、大丈夫です!こういう自然な瞬間こそ、いい写真が撮れるんです。

アキナが突然、カメラに向かってジャンプ!

秋野くん: わあっ!

秋野くん、驚きつつもシャッターを押す。

連続してシャッター音が響く。

●30分後

秋野くんはカメラを見て撮った写真を確認している。

秋野くん: (満足げに)やっぱり、最高のシャッターチャンスって、突然やってくるもんだなぁ。

飼い主が、秋野くんの隣からカメラを覗き込む。

飼い主: (写真を見て驚く)すごい!アキナかっこよく撮れてる! 秋野さんってプロ並みですね!

笑い合う二人。
あまりにも顔の距離が近くなりすぎて、お互いに一瞬戸惑う。
照れ笑いする二人。

●後日、公園

秋野くんはまた公園にやってくる。カメラを手に持ちながら、どこか期待に満ちた顔をしている。すると、アキナと飼い主が再び現れる。

飼い主: (手を振りながら)今日のアキナは、モデルやる気満々みたいですよ!

秋野くん: (笑顔で)じゃあ、今日はもっといい写真が撮れるかも!

笑い声が公園に響き、秋野くんは再びカメラを構える。シーンは秋の日差しに包まれながら、徐々にフェードアウトする。

終わり


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