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カフェから街は創られる

 カフェから時代は創られる(飯田美樹著)にはこう書かれてある。
 フランス革命、イギリスの市民革命、アメリカ独立運動、そして様々な芸術運動はカフェから始まった。カフェはただお茶をしに行く場所ではない。そこに集う人たちと場が絶妙に相互作用したときに。新しい価値を創造しうる場なのである。

 飯田美樹さんの了承を得て、『カフェから街は創られる』の企画がスタート。三沢市にあるカフェを拠点に、そこに集まる人の会話から高校生のプログラムの原形が生まれる。そして、高校生も雑談に混ざって独自のプログラムがつくられていく。

 街歩きガイドをやっている、カフェCross Roadの店主は言った。
「高校生と一緒に街歩きして、三沢の面白いとこ伝えたいんだよね。三沢から出ていく前にさ。」
 ある日、突然出てくる言葉だから、高校生への声掛けも突発的だ。しかし、一人の男子が食いついてきた。そこで始まった、「三沢街歩き」

Cross Road


三沢のシャッターアート


ビルの屋上で女性起業家と語る


外国人には欠かせない外貨両替


どこまで日本かわかるかい?


コーヒー豆1粒にも物語がある

 参加した高校生は、三沢の良さを再発見したようだった。彼の口から「実は子供の遊具に興味があって、その話も深く聞きたい。」そしてその後、新たな交流が生まれた。

 
 ある日、女子高校生がお菓子を食べながらこう言った。「去年三沢市の成人式で司会をやる予定だったのにコロナで中止になった。せっかくマックテレビ(地方のケーブルテレビ)に出れたのに…。」
 この会話から生まれたのが「マックテレビに挑戦!」というプログラムだ。昨年度市民提案事業で行われた、「国際交流みさわ」の成果発表してみようぜ!(「国際交流みさわ」とは高校生自ら国際交流を企画運営する事業)この事例をしっかり学び、成果発表をマックテレビでやってみるという企画だ。台本も自分達で考える。印象深かったのが、「大人のみなさん、これからも高校生に有意義な活動の場を与えてください。」という言葉。コロナ禍活動自粛していた子たちの魂の叫びにも聞こえた。


 ある日男はカフェでこう言った。
「中央商店街で、Misawa Market Caravan っていうイベントやるんですけど、アメリカ人来場客にアンケート取りたいんですよね。俺とか周りの人英語できないから…。とりあえず、ネット調べてこんなアンケート作ってみたんですけど、見てもらえますか?」
取って付けたようなアンケートで、フレーズとしては、ん?というものもあった。そこで生まれたのが、「高校生が英語でインタビュー」。

三沢市中央商店街で行われたMisawa Market Caravan

 アンケートに答えてくれた人にお菓子を渡そう!というアイディアも。

 アンケート台本を自分達で準備し、それ以外の話題も英語でコミュニケーションをとる。実際に英語を使う難しさも感じたが、同時に楽しさも味わったかな。

カフェから街は創られるで高校生が得られたもの。

・各分野の人から、専門的なことをから裏事情まで学べる。
・自分で考えて行動すること、相手の立場に立って考えること、多様性の尊重、協力することの大切さなど、社会に出てから役に立ちそうなことを教えてくれる。
・これまで目を向けてこなかった地域にある人、活動、モノを知ることができ、地域の人との繋がりができる。

そして何よりも、自分はその地域から必要とされていることを実感できたのではないだろうか。

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