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君を誇りに思う

ムスメちゃんのこと、書いていいよー♡

 ということなのでご報告ですが、中学生ムスメさま、通信制高校に合格いたしました。パチパチパチ!おめでとう!!これで春から高校生・・・というわけにいかないのが、わが家独自の進学制度。ホームスクールに移行したときにムスメさまとは、「義務教育以降は、勉強したくなかったら進学しなくてもいい。親の経済的援助を受けて進学したかったら、中学卒業程度の学力をつけていることが条件。そのため中学卒業試験を受けてもらう。何年かけてもいいよ~。」ということを約束していたので、進学先が決まっても卒業試験をクリアできなかったら高校生になることができない。なので高校からの合格通知を手にとってもムスメさまは、「まだ0.5安心・・・」と呟いて、卒業試験のための勉強に打ち込んでおります。

 中学卒業試験をするというのは2年前に決めていたけれども、どういう形で実施するか決めたのは比較的最近のことである。どこかの試験を受けたり、オリジナルに作問するのもなかなか大変なので、結局公立高校入試の直後に公開される入試問題を、時間制限なしで解いてもらうことにした。合格ラインは8割。まぁ公立の入試だからそんなに珍奇な難問も出ないだろうと思ったし、他者と競争することが目的ではなく理解度をはかるためのものだから、じっくり問題に向き合って8割とれれば理解良好と判断できるんじゃないかとテキトーに設定した。

 京都の公立高校の入試制度についてよく分かっていないのだけれども、前期試験と中期試験に分かれていて、前期試験は国数英の3教科、中期試験は国数英理社の5教科の試験問題が京都新聞で公開されるので、ムスメさまはまず前期試験(2月16日)で3教科をクリアし、後期試験(3月8日)で理科社会を受けるというプランを自分で立てていた。普段から学校の定期テストに合わせてこつこつと自分の学習をすすめていたが、最後の学年末テストが終わってからは卒業試験に向けてラストスパート。問題集を仕上げては「もっとこういう問題を解いてみる必要がある」と本屋さんで新しい問題集を吟味して買い、自分で予定をたてて取り組んでいた。私が出る幕はもはやほとんどなく、少し難しい数学の問題を一緒にやりたいと声をかけてくれた時だけ、横に座って一緒に解いた。勉強用のタイマーが欲しいと言って専用のタイマーを購入し、TO DOリストを作って時間&スケジュール管理も全部自分でしていた。ほんの2年前には定期テストの勉強方法を一緒に模索しながらピッタリと伴走していたのに、気づいたらすっかり自立した学習者になっていた。卒業試験に向けて頑張るムスメさまの姿に、夫婦で「もう何にも心配はないよね。」とこっそり話していた。試験の点数いかんにかかわらず、自分で学びのプランをたて、工夫しながら取り組むことができるようになる、ということが義務教育におけるゴールだと思っているからだ。

 試験を早く終わらせたい、というムスメさまの希望で、公立前期試験の翌日に国英数の試験を実施。国語は現代文部分では8割とれたのだが、古文部分を合計すると7割弱という結果に。学校での授業も受けず、塾にも行っていない中で古文の学習は少し不足気味だったことを考慮して、古文の問題の解き直しを条件に合格を出した。英語はリスニング問題の音源が公開されていないので、テキストの問題のみ実施で一発合格。リスニングはプライベートレッスンを受けている英語の先生に読み上げをお願いして、後日参考点として加点することにしてある。数学は一回目で8割にあと2点足りず、解き直しのチャンスを与えた。しかし基礎~中レベルの問題をノーミスでクリアしての点数だったから、「難問が解けるかどうか」にかかってしまうチャレンジとなり、数時間ねばりにねばって難問正解にたどりついて合格をゲット!いやぁほんとによく頑張った。だって今日も朝から夫婦二人してこの数学の難問たちに挑んでいたんだけど(ヘンタイの域)、まじで難しかったよ・・・数学の先生たちって、これ全部時間内に解けるんだろうか。だとしたらめちゃくちゃ尊敬・・・ていうか数学の8割クリアはだいぶハードル高めの設定だったなと自分で問題解いてみて思ったデス、ごめんよムスメ氏。ちなみに国語も採点のために文章読んだりしてたんだけど、いきなり現象学の議論が展開される文章で、素養がないと読むのがしんどいだろうな・・・と全受験生を気の毒に思った。例年どうなのかは知らないけれど、難しめだったんじゃないかな・・・

 こうして前期試験にて目標の3教科をクリア、ムスメさまをすごい!天才!最高!誇り!と褒めたたえまくった。ムスメさまもクリアして嬉しいのとほっとしたのとで、お涙ぽろり。理科と社会はこれからだけれども、もうこれでいつでも自分で必要な学びを自分で進めていくことができる、一番大事なことを中学時代に学べたからもうお父さんもお母さんも何も心配していないと伝えた。ムスメさまはすでに先を見ていて、「高校に行ったら、もっと英語と韓国語を勉強したいんだよね。今韓国語は月に2回だけだけど、もっとしたいな。時間あるか分からないけど、まぁ自分のしたいことをするために通信制を選んだんだしね。」と、学びへの意欲まんまん。もうほんまに言うことないわ・・・

「おうちで勉強する」

 突然ムスメさまが宣言して始まったホームスクールから2年。公教育からぽーんと飛び出し、ほかの学校にも塾にも行きたくないというので、どんな学び方が自分に合っているのか模索し続けてきた。初めのうちは過保護かな?介入しすぎかな?と思うくらいに一緒に取り組んでいたけれど、ムスメさまは自分のペースでぐんぐん力をつけて、道なき道を自らの手で切り拓いていった。そのことを心から尊敬するし、彼女のことを誇りに思わずにいられない。

 卒業式の次の日に、髪を染めに行くんだ!と、中学卒業を心待ちにしているムスメさま。ムスメさま独自の歩みに理解を示してくださってきた先生がたも、お友だちもたくさんいる恵まれたムスメさまだけれども、学びの面でも、生活の面でも、公教育はムスメさまにとって窮屈だったことは否めない。彼女が彼女らしくあり続けるには、1人1人がどうかということではなく、もっと民主的で、自由かつ柔軟な「システム」が必要だったと思う。それは残念ながら手に入らなかったけれども、きっとこれから彼女やその仲間たちが、そうしたシステムの創り手となってくれることだろう。

 おめでとう、ムスメさま。

 これからの活躍を、楽しみにしているよ。

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