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スマホ時代の人間関係

メッセージのやりとりをする相手なんて掃いて捨てるほどいる。
それでも心が満たされないのは何故だろう。

顔の見えない相手からの返信を待っている。
スマホを何度も立ち上げ、通知がゼロなことを確認する度に落胆する。
傷つくことが怖い。
それでも自分が相手を傷つけることにはもう鈍感になっている。
ちょっとした言葉で、態度で、簡単に切ることができる世界。
「またダメだった」その少しの心の傷を埋めるように、また違う誰かを求めて指先を左右に動かす。

誰もが幸せになりたい。
それもただの幸せではなく「完璧」に幸せになりたい。
「はじめまして、趣味はなんですか?」
「休日は何をして過ごしているのですか?」
趣味や仕事、恋愛観等自分と相手の価値観を探り合い、なるべく擦り合わせる。
誰もが画面の中に幸せがあると信じている。

今日もスマホの明かりがひとつ。
きっとその明かりの中には、いくつもの喜びや虚しさを孕んでいる。
自分はいつか幸せになれる、そのことを信じて
今日も「はじめまして」を繰り返す。

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