ふたりで居る寂しさ。
これまで、誰かと一緒に住むことを何度かしてきた。
両親、恋人、夫婦。
それらが終わりを迎える時、
寂しさとは逆の、あたたかな何かに包まれている心地だった。
なぜなら、それまでの日々こそ、寂しさの絶頂だったから。
それは、心の振れ幅の違いだったり、
大事なものの価値観のズレだったり、
生きていくことへの課題感の違いだったり。
趣味や、好み映画や本が違うなんてことは、
ちっとも問題ではなくて、
心が、まるで別世界で生きているモノ同士のように、
見事に絡み合わないと分かった時、
絶望と共に、強烈な寂しさが押し寄せる。
歩み寄ろうとすれば、悲しみにもつれ、
諦めようとしても、虚しさが押し寄せる。
そんなとき、広い海の前で、私はひとりになる。
ぼんやり夜空を眺めていると、
宇宙に浮かぶ原子たちの一部として、
自分がここに居ることに、僅かに救われる。
そして、こうして生きている今を思い出し、
小さな活力が湧いてくる。
世界には、いろんな宗教があるように、
心と心を故意に結びつけることは、
とても難しい。
それでも、身近な人には、期待をしてしまうから
それが叶わない時、とてつもない寂しさが押し寄せる。
そんな時は、ひとりになろう。
その人がその人で生きていることを受け入れるだけで、
別の道が見えてくる。
misato.
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