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シティガールが裸足で手植え! 東京からの修学旅行生、南郷地域で農業体験。

学生時代の修学旅行、あなたはどこへ行きましたか。

どうも、宮城県美里町みさとまちの地域おこし協力隊がお届けする『みさと新報』です。ちなみに美里町出身の筆者は、小学校では福島県へ、中学校では東京都へ行きました。

さあ、今回はそんな修学旅行にまつわるお話でして、5月9日(月)、東京の麹町学園女子高等学校の2年生43名が、美里町へ農業体験にやってきました。私たち協力隊も参加させてもらったので、その模様をお送りしていきます!


例年は海外への修学旅行でしたが…

麹町といえば、2018年まで利用されていた日本テレビの旧社屋がそびえる場所。調べてみると、そのスタジオではこれまで数々の人気番組が収録されていたようです。そんな大都会で青春を謳歌するシティガールたちが、田んぼで囲まれた南郷なんごう地域の菜園レストラン「野の風(株式会社はなやか〈以下はなやか〉)」に降り立ちました。

(2台のバスが野の風に到着。)

先生曰く、例年なら海外へ行く予定だったものの、やはり新型コロナウイルスの影響で渡航を断念したそう。オーストラリアとパラオが候補地だったと聞きました。さらに国内の修学旅行でさえも危ぶまれる状態だったそうですが、無事に実施を迎えられた先生方は、ほっと胸を撫で下ろしているようにも見受けられました。

YOUたち、どうして美里町へ?

こちらの修学旅行のテーマのひとつは、東日本大震災を通じて「語り継ぐことの大切さ」を学ぶこと。日程表を見せてもらうと、4泊5日で気仙沼市や南三陸町、あるいは岩手県の陸前高田市などおもに沿岸部を巡るスケジュールとなっていました。

また、そんな中で農業体験を通じて文化の継承や想いを継ぐことの大切さを学ばせたいという思いもあり、学校側から旅行会社を通じて美里町へ、そして美里町からはなやかへ打診があったそうです。ちなみに南郷に到着したこの日は、修学旅行の初日。東京から新幹線で古川駅に到着し、そこから大型バスでいらっしゃいました。

(それにしても初っ端から美里とは。渋いですね)

シティガール、いざ田んぼへ。

そんなこんなで11時過ぎに到着したシティガールたちは、野の風のランチを堪能。そして学校指定のものとは思えないほどイケてるジャージに着替えて、さっそく田んぼへと向かいます。

(サンダルも持参いただいていました。感謝。)

はなやかで代表取締役を務める伊藤惠子さんから直々の指導を受け、彼女たちは苗を片手に裸足でいざ入水。というか入田にゅうでん。(?) 後ろ向きで歩きながら、田植定規でつけた印に沿って苗を植えていきます。

(赤い手袋をされているのが伊藤さんです)
(率先して田植定規を押すガールもいました)

最初こそ「ぎゃー!」「きもちわるい!」などと声を上げ、大都会では知る由もない(であろう)泥の感触に翻弄されていたシティガールたちでしたが、そこはさすがの適応力。徐々に慣れて「めっちゃたのしー!」とどんどん作業を進めていくと、1時間もかからないうちに田んぼ一枚を手植えし終えてしまい「もうおわり?植え足りな〜い」と残念そうに話すガールもいました。

(最初は恐る恐るでしたが…)
(みんなで田んぼの両サイドから攻めていき…)
(なんということでしょう〜)

田んぼを後にしてからは。

その後、田んぼから上がって手足を綺麗にしたシティガールたちは、しそ巻きづくり味噌づくりも体験しました。味噌を包んだしそを油でさっと揚げる郷土料理しそ巻きは、お酒にも合うため先生方にも大人気。校長先生は「奥さんが好きだからお土産に」と、愛妻家な一面も見せていました。

(しそを巻き巻きして)
(油で揚げ揚げしました)

また味噌づくり体験では、大豆や米麹などを混ぜ合わせたものを、味噌すり機へ投入。下からにゅるにゅると出てきたものを半年から1年ほど置き発酵させることで、味噌ができあがるそうです。

もちろんこの“にゅるにゅる”も食べることはできて、味見したガールは「しょっぱ!」「納豆の激しょっぱバージョンだね」と話していました。筆者も食べてみましたが、すこし味噌の風味を感じながらも、たしかにとてもしょっぱかったですね。

(こちらが味噌すり機。上部から投入し下部からにゅるにゅる出てきます)

あっという間の濃密な時間。

気づけば時刻は、15時を迎える頃。再び制服に身を包んだシティガールたちは、最後に田んぼをバックに記念撮影。そしてバスへと乗り込み、次の目的地の松島町へと向かっていきました。

(再び田んぼに戻ってパシャリ)

数字にすると4時間ほどでしたが、私たち協力隊にとっても濃密で有意義な時間を過ごすことができました。手植えが初めてというメンバーもいて、先生や学生の皆さんと触れ合えて、とても貴重な経験をさせていただけたと思っています。

今なお修学旅行中のシティガールたち、この一生の機会を楽しみ尽くしてください。まあ、ここで言われるまでもありませんかね。そして宮城県美里町のこと、なるたけ憶えていてもらえると嬉しいです。もう「あの田植えしたところ」で十分ですので。どうかよろしくお願いしますね。


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