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(26)雨上がり

朝8時にはもう気温が上がって蒸し暑い。久しぶりの太陽に虫も緑も生き生きとして、梔子(クチナシ)と藪萱草(ヤブカンゾウ)が咲きはじめていた。一重の梔子はこの庭で初めて見たのだけれど、八重の花には実がならなくて一重の花だけ、食用にも使える黄色の染料となる実をつけるそうだ。藪萱草の蕾も、金針菜といって鉄分の豊富な薬膳食材なので、庭を作った人は何か目的があって植えていたのかもしれない。

勝手に生えてきた木に花が咲いたので、取ってしまおうと考えていたが、何の木なのかを確かめるために実が熟すまでそのままおくことにした。大きなカナブンみたいな虫が嬉しそうに花の蜜を吸っていた。

ヤロウの残りの染液で、乾かした糸をもう一度染めながら、苦手なやつの予約をこなす。健康診断と歯医者とヘアサロン。行けば大丈夫だし、ほんとに大したことないのに、予約が一番苦手なのはなんでなのかな。


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