見出し画像

(137)ヒトの手も借りたい。

久しぶりに気温が10℃を超えたけれど今年の冬は寒い。年が明けてから小鳥たちに餌をあげているのに、まだ知られていないのか訪れる鳥は少なかったが今朝シジュウカラが窓の外から覗き込み、目があうと私に向かってしばらく囀って行ってしまった。催促されたので餌にバナナを用意してテラスへ出ると、シジュウカラは居なくて梅の木に二羽のメジロが待っていた。メジロは私が部屋に戻ろうと背を向けるや梅の木から飛んできて、すぐ食べだしたのは一羽だけでもう一羽は私を警戒しながらも近寄ってくる。窓を閉めてそっと振り返ると、ビスケットは落ちてないかと入念にテラスの床を眺めてから、今日はバナナかともう一羽の側まで戻って啄ばみはじめた。メジロは穀類やナッツが好きだからちっちゃな欠片でもビスケットがいいんだね。また今度ね、食いしん坊さん。

このところ寝ている所を猫に起こされるのが続いている。
昨夜、夜中に寝ている私の顔を誰かがポスポスとふわふわの手で触っているのに気がついた。毛の生えた丸い手の先で顔にタッチすると、爪は出していないが端っこの爪が軽くあたる。ポスポス。……眼を開けると三角耳の丸いあたまの影が私を覗き込んでいる。ジジ。カゴの入り口を開けてほしいようなので起き上がって、毛布を持ち上げると軽く鼻先で触れてから入っていった。

鼻でお礼をしていくのはジジの礼儀正しいところ。しかし、わざわざ寝ている人を起こしてまで、やってもらいたいことなのだろうか? 猫が出てきた箇所は毛布に跡がついて入りやすいはずなのに。子猫の頃は自分で戻っていたはずだし、たまに上手く入れなくて、朝起きると上掛けの毛布に乗っかって寝ていたりした。猫たちは10才過ぎた頃から人間扱いについてかなり心得たらしく、寝ている人の上を起こさないように歩けるし、起こすこともできる。寝ている人間を起こしたいときは、トストスと脚を当てながら歩いたり、ぎゅーと体重をかけると人間の意識が戻るのである。

でも夜中に起こされるのは困るけれども、猫が毛布に入れなくて寒くて風邪をひいたらもっと困るから、ヒトの手を使ってもらえたほうが私も猫も幸せになれるね。きっと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?