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(25)文月の猫

バラ、おはよう。バラの花が開いていくのは、いつ眺めても美しいなと朝の光のバラに見惚れた。夜に横なぐりの雨が降ったのでテラスはびしょ濡れで猫たちは出ようとはしない。自然の営みはいつもと同じなのに、月が変わると気持ちがパリッとするので、人間はやっぱり人間の作った社会で生きていると思う。

すぐに読み終わるのが惜しくて、電車の中で少しずつ読んでいる本。冷静さを保って記録しようとしても溢れ出る作者の想いと、生き生きとしたスズメの愛らしさに胸が熱くなる。

ある小さなスズメの記録
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昨夜夕食の支度をしながら収穫したヤロウの染めの準備をして、食事を終えるとそのまま染め作業に入った。バタバタと染めや翌日の用意などを終わらせて、さあ寝ますよと呼んで寝室に集まった。が、なにやら猫たちがじっとりと私を見ていて、重い空気が漂っている。しばらくストレッチをしていたけれども、ただならぬ猫たちの視線にこれはいけない久々に「猫を愛で」ようと思いつく。寝そべっていたモモをそっと撫でながら、2匹に話しかけるよう意識して話しかける。

ねこがとてもかわいいこと。ねこはいつもがんばっていて、りっぱにおるすばんをしていること。ツヤツヤしてけなみがよくて、とてもすてきでかっこいいこと。ねこはかしこくて、いつもなかよしでえらいこと。やさしくて、つよくて、おうちをまもってくれてるのをかんしゃしてること。

ジジもモモも思い思いの姿勢で寛ぎながら、耳はしっかりと立てて私の言葉を聴いている。ゆったりとした口調でまた猫たちをほめ続けた。3クールくらい繰り返していたら、空気があたたかく、ふわりと軽くなった。ジジは坐り直して籠に背中をあずけて満足そうだし、モモはうっとりとした表情でグルグルのどを鳴らしていた。灯りを消すとすとんと寝てしまった。

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