精神病院で生きていた話 その20
僕は悲しくなっていた。みんな退院していく。みんないなくなっていく。それが寂しかった。
そして自分の弱さにイライラとしていた。川本先生にはいつ退院してもいいと実は言われている。
だがそれが怖くて「万全の状態で退院したい」と逃げている。そんな自分がすごく嫌で一人で作業療法室にいる時に机を強くドン!と叩いたりすごく情緒が不安定になっていた。
ある日のロビー。
僕は俯いていつものようにイライラと鬱屈とした気持ちが混在した気持ちでいた。
するとその気持ちが爆発してしまった。
目の前にある木製の椅子を持ち上げると地面にたたきつけ爆破四散という言葉がふさわしいくらいに椅子を粉砕してしまった。椅子がこんなに簡単に爆破四散してしまった事に驚きながら悲しさが爆発してしまい号泣しながら部屋へ戻った。廊下を号泣しながら歩いているときは本当にもうどうしようもない気持ちだった。
部屋に戻ってもベッドの上で号泣が止まらなかった。
すると看護師の松岡さんがやってきて
驚いた顔で「大丈夫?」と聞いてきた。その優しさでさらに悲しくなってしまって僕はさらに号泣しながら
「ごめんなさい・・・!ごめんなさい!!」と何度も誤った。
すると西東さんが頓服の落ち着く薬を持ってきてくれてそれを飲んだ。
少し落ち着いた気がした。
看護師さんたちと泣きながら話をしていると河本先生がやってきた。
「今日は川本先生がいないから私が代診いたします。感情が爆発してしまったんですね。わかりました。少し落ち着くまで保護室で休みましょう」
と言われ僕は一番奥の保護室へ連れられて行った。それから僕の保護室生活がはじまった。
実話をもとにした創作精神病院入院記です。
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