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雨あがりの夕ぐれ時         ~15年目の再会~

ふたりめ演者「〇〇さんですよね。」
わたし   「覚えていらしたのですね。」

ひとりめ演者「ダンサーさんですか。」
ふたりめ演者「古い知り合いです。」

覚えていただいていたこと、びっくりでした。
ふるい知り合い、という表現はうれしかったです。

そう、彼と出会ったのはエンカウンターグループの場であった。エンカウンターグループはわたしなりに簡単に言ってしまうと、カール・ロジャースが育てたグループワークである。ただ輪になって座り、自分を語る。そのような場である。カール・ロジャースはエンカウンターグループをある時はカウンセラーを育てるために使い、人々を癒すために行い、教育のスタイルへと発展させた。わたしはエンカウンターグループがとても好きである。そのような場で彼と出会った。

そのグループの時のわたしは、未だエンカウンターグループを知って間がなかった。エンカウンターグループは自身で体験することを重んじているように捉えていた。なので泊まりで行うエンカウンターグループに参加した。そのころのわたしはエンカウンターグループではまだ自分を語れないでいた。自分の周りの気になる人のことばかりを話していたように覚えている。そのグループで彼と出会った。その頃の彼はどこか元気がなくて、うちひしがれているようにわたしには視えていた。若い優秀な方なのにもったいないな、どうにかならないかなと感じていた。

そのグループが終り、そのグループの参加者たちとFacebookでつながった。
あれから15年くらいたったかな。わたしも彼も変わった。

わたしはとても変わった。そのグループの後、通信の大学で心理学を学び、そして京都の通信大学で精神保健を学び、国家資格まで取ってしまった。全然その気はなかったのに、今はスクールソーシャルワーカーをしている。

彼も変わったね。そのグループの時にどの様な話をされていたのかは全然覚えていないけれど、ただ元気がなかったな、ということは覚えている。Facebookで折々の様子を伺うに、こちらの方に進んでいってるんだ~というのは知れていました。今日こうして鑑賞させて頂いてとても光栄でした。

エンカウンターグループの効果は即効性がない、ということをわたしは本で読んでいた。なのでわたしは自分自身の効果について実はあきらめていた。でも。今日来し方を改めてふりかえってみると、この年月をかけて、じわじわと変化してきた自分があるのかな、と思える。そしてこの変化には、あの時のエンカウンターグループが一役買っていたのかな。
そしてそれは彼もそうだな、と。

実は、わたしがこれまで体験してきたエンカウンターグループということが、わたしの中では終わっていない、続いている気がしている。このような感覚はエンカウンターグループならではなのだとわたしは思う。そして、いつの日かまた、どこかでエンカウンターグループに参加したいと願っているわたしがいる。

これまでエンカウンターグループでご一緒してくださったみなさまに多謝。

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