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星のや沖縄⑥

部屋に戻り、浴槽に湯を張った。

浴室もまた、海の装いだった。エンゲージブルーの壁に、高さ3.5メートルほどの天井。

エンゲージブルーは、ファンダイブで潜れるくらいの水深で見たことのある海の色である。
もしかして、天井高さ通りの水深にいるようなイメージで造られているのか?想像はふくらむ。

また、当然ともいえるが、水回りのアメニティは全て上質なもので、その日の髪や肌はツヤツヤになれた。

館内着とは別の薄紫色のパジャマを着て、すうっと眠りについた。

翌朝が目が覚めて窓を見るとあまりの美しい景色に飛び起きた。

南向きについた大きな窓からは、太陽が出たばかりのピンク色が差した空と、丸い満月と、海。コンタクトレンズをつけていない裸眼の私でもはっきり見えた。

その景色は1分もしないうちに色を変えてしまった。

急いで顔を洗いに行き、コンタクトレンズと日焼け止めだけつけてテラスに出る。

1秒ごとに変わる空と海を記憶するためだ。

遠くで巨大な輸送船が見える。そのように朝5時半から1時間ほど過ごした。


朝の海を見ながら読書してみる。
部屋にあった星のや旅行記は6人の作家さんが書いたもので、婦人画廊で過去連載されていたようだ。

全員女性作家のようで私の好きな先生もいた。

星のや沖縄は角田光代著だった。
その本を読んで私も旅行記を書こうと決めたのだった。

のちに旅行記集はホテルの方に確認して、持ち帰らせていただいた。

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