見出し画像

最近気になったスマホWebサイトのデザインを3つ。

肩書きは「グラフィックデザイナー」と名乗っているけど、Webのデザインも好きです。

制作の際、以前はWebデザインが集まったギャラリーサイトを見ることもあったのですが、最近は利用者の環境がスマートフォンが基本になったということもあり、凝ったデザインを避けるようになってきました。
(その極みが今年リリースした杉工場さんのサイトです。すごく気に入っています)

そんな中で、twitterで見かけたり、instagramの広告で流れてきて「これは面白いぞ」と思ったサイトがいくつかあったので、紹介してみようと思います。すべてiPhoneでスクリーンショットを撮っています。

1. ホンマタカシ監督「建築と時間と妹島和世」

写真家のホンマタカシさんが監督した、建築家の妹島和世さんのドキュメンタリー映画の特設サイト。僕の大好きなデザイナーの長嶋りかこさんがアートディレクションを手がけられています。

画像10

ファーストビューは本当にポスターそのままのイメージ。「建築と」「時間と」「妹島和世」それぞれの文字に写真が対応しているレイアウトになっているのが上手いですね。タイトルが横組み、監督やクレジット関係が縦組みになっているのも情報の差別化になっていて、いいデザインだなと思います。

画像11

本文は縦組み。メニューボタンすら無い1ページの設計です。
縦スクロールで出てくる情報の順番が整理されていれば、1ページものならメニューボタンは要らないと個人的にも思っています。

画像2

映画の予告編、上映館などの基本情報からさらにスクロールすると、画面が黒バックに変わって、この映画で取り上げている建築の詳細な情報が現れます。ページを分けずに、より詳しく知りたい人に情報を提供している、きれいな設計だなと思います。


2. THIS IS A SWEATER.

山形のセーターブランドの公式サイト。同じく山形のアカオニさんがデザインを手がけられています。

画像12

ファーストビューで目を引くのは、かっちりと組まれたアルファベットと、逆さまになったブランド名。このデザインはパッケージや商品のタグにも使われていて、シンプルなアイデアで印象に残るデザインになっています。

画像4

写真のディレクションも秀逸。日本人のモデルを使いながら、海外の人を撮ったようなトーン(うまく説明できない…)が出ていると思います。ちょっとスモーキーな色味がイギリスっぽさになってるのかな…。

画像5

本文はすべて画像で文字組みされています。綺麗に見える反面、スマートフォン内蔵フォントで組まれた文字列に慣れた目には読みづらかったり、SEO的に不利だったりするので個人的には避けるアイデアなのですが、このサイトでは見た目の美しさ優先で制作されているようです。

実際、僕が見てここで取り上げているぐらいなので、そういう意味では正解なんだろうなと思います。


3. BEAMSの百名品 | BEAMS BEST 100

セレクトショップのBEAMSが取り扱う商品の中からベスト100を紹介する特設サイト。

画像6

実際にアクセスしてもらいたいのですが、トップページの細かい動きがすごくかわいいです。CSSを使った回転とか、チープになりそうな処理を「抜け感」的に使っているのがいい感じ。スポットライトが動き回るアイデアも、「ベスト100」な雰囲気がよく出ていて上手いです。

僕が作るのは公式サイト系がおおいので、こういうお祭り感のあるにぎやかなトーンの仕事も楽しそうだなと素直に思いました。

画像7

ベスト100の中では、べっ甲のタイメックスが気になります。撮影も上手いし、コーポレートカラーのオレンジを効かせた雑誌(Beginとか)みたいな雰囲気作りも上手です。

画像8

下線とか手書き文字とか「こんなの初めて…♡」とか、とにかく雑誌っぽい。

画像9

ちょっと嫌だったのが、女性スタッフからのコメントが載っているところですね。女性目線を気にする男性は多いから効果的だと思うけど、SDGsやダイバーシティ(多様性)が叫ばれる今、「好きなものを好きに着たらいいじゃない!」と思うのは僕だけではないはずです。

…という点は気になったけど、全体的な手数の多さと、それをまとめる編集力が際立つサイトだなと思いました。これは売れるだろうなあ。


おわりに

今回は最近スマホで見て気になったサイトを3つ、紹介してみました。こうしてまとめてみると、自分が何に引っかかるのかが分かったりして、面白いです。

見る立場としてはこういうサイトが好きだけど、実際の制作の場面では手クセが出たりしてあまり実現できたりしていなかったりするので、今度Webサイトを作るときにはこれらを思い出しながらやってみようかな、と思いました。

ではでは!