何者でもない私が世界1位の女性社会起業家になった理由
使うメディアの量を増やしたくなくてnoteはアカウントを持っていたけどずっと使っていなかったのですが、ようやく重い腰を上げて書くことにしたのは、戦友の NPO法人Collable代表のさゆちゃむの一言
防災ガールがこの5年間どうやって事業を開拓・展開し、どうやって世界一になったのか知りたい
と言われたから。
なので、まず結論的な記事として「どうして世界1位の女性社会起業家になれたか」という部分を今回お伝えしたいとおもいます。その後、(気分が乗り次第…)そこまでにどんな経緯があって、どうやって様々な問題や課題と出会い解決してきたのか、実際に起きたことをベースとしてnoteに記事を書いていきたいと思います。
実は、今回世界一になったことで、今年(2018年)11月にパリで開催される国際的な女性にフューチャーするイベント「Women's Forum」に出席することになり、そこでいろいろお話ししなければならなそうなので、自分自身も振り返りをしたいとおもっていて。
ということで、期限はイベント開催の11月までにどれだけ自分自身の頭を整理して発信していけるかという自分との勝負にもしちゃいます、勝手に。
AGENDA
1、 そもそも何をもって世界一なの?
2、 世界一は狙ってなれる
3、 これが世界一になるコツ
4、 周りの評価に自分を追いつかせる
1、 そもそも何をもって世界一なの?
私は、2018年3月8日の「国際女性デー」を機に、パリのSparkNewsが旗振りをして世界のメディア22社とともに「Womenin Business for Good」というキャンペーンを打ち出し、世界中から女性社会起業家を22名選び、さらにそこから一般投票で世界一を決めるコンペティションでなんと世界一になりました。
世の中には、”世界一の女性社会起業家”を決める企画は他にもいろいろあって、一つの企業や協会団体が独断と偏見で決めるものや、プレゼンが評価されるものなど様々。そんな中で私が選ばれたのは「世界のメディアが選んで決めた世界一の女性社会起業家」というもの。
私たち起業家側は自分でエントリーをすることなく、メディア側の推薦によって「世界の女性社会起業家22名」がまずは世界中から選ばれました。選ばれたことは特集webサイトに掲載された後に、主催のSparkNewsの担当者から「あなたは選ばれました!」とざっくりした英文メールが届くくらいでほんとうに半ば勝手に選ばれました。(日本だったらありえないよね笑)
後から聞くと、日本の女性社会起業家を選ぶ担当になっていたメディアは「朝日新聞社」だったらしく、これまで取材してきた人たちの中から選ばれたそう。
さらには、これまた勝手に「世界の女性社会起業家22名には選ばれたんだけど、ここから1ヶ月で一般投票で世界一が決まるから、友達とか家族に応援してもらってね!じゃ!」みたいなまたすごく軽いメールが届いて笑。本意ではなかったけれど、せっかく世界一になるチャンスがあるなら頑張ろう!と、防災ガールの仲間たちと応援を呼びかけ、一般投票(この時は、もっとも記事がシェアされた人が優勝)が最も多く、世界一になることになりました。
2、 世界一は狙ってなれる
世界一には、狙ってなれます。オリンピックやパラリンピックのように競技の技術や採点評価によるものではなく、今回のようにコントロールしやすいものは特に。
「1、そもそも何をもって世界一なの?」を読むだけで、世界一になるコツ・技に気づいた方も多いんじゃないでしょうか。気づいていない方は、結局自分でできることは少なくて、”選ばれるのを待つしかない”と感じてしまっているのかも?
この視点は、どんな業界・場所でも使える「運命の分かれ道」だろうなあとおもいます。これができなくてもやもやと苦しんでいる人をこれまで数えきれないほど見てきました。なのでよかったら気づいて帰ってね!
(ちなみにこのあとこのコツを書きますが、読んでも結局自分ごとにできずモノにできない人は、いつまでたっても目標は達成できないしいつまでも諦め続けるタイプなんだとおもいます。いや…言い過ぎかな)
今回私や防災ガールは狙ってアプローチはしていませんでしたが、「世界一・優勝を狙いに行く」ことはできます。現に、女性の社会起業家ではなく国際的なPRアワードを日本初獲得した時は”狙って獲得”しました。
(この時の話もまたいつかどこかでnoteにかこうかな)
3、これが世界一になるコツ
私が「世界一の女性社会起業家」選ばれた経緯を再度見直してみます。ここでは感情をいれず、事実だけを洗い出して…
(あ、ちなみにこれをやったからといって100%なんでも世界一になれるぜ!ってことではないのであしからず…)
<事実>
①日本の女性社会起業家選択を担当したのは「朝日新聞」
②「朝日新聞」に過去掲載された女性社会起業家から選ばれた
③一般投票はSNSで完結でき、その数の多さで世界一が決まった
④2018年3月8日の「国際女性デー」の一環の企画だった
こう見るだけで、これが「運」や「ご縁」だけで世界一になったのではないことや、「実績がないと世界一になれない」というわけではないことがわかります。もちろん、これらもとっても重要だと思うのですが。
では、ひとつひとつを因数分解していきます!
①日本の女性社会起業家選択を担当したのは「朝日新聞」
メディア・媒体ごとに重要視するものは違いますが、やっぱり新聞社としては「多くの人が購読するかどうか/多くの人に見られるかどうか」がとても重要。普段から日々情報を発信される新聞社がもとめるのは「他にないこと」や「新しさ」であったり、「議論を生む」ものかどうかなど、いわば”いいネタ”になるかどうか。そして記者の方が「書きたくなるかどうか」もとても大切です。
②「朝日新聞」に過去掲載された女性社会起業家から選ばれた
上記に踏まえ、「女性の社会起業家として掲載されること」と、記者や担当者が判断するときにすぐ思い出せる「インパクト」もしくは「最近のこと」かどうかも大事。
というのも、新聞に掲載されるときにあまりこだわりを持っていない団体・人はそんなに記事内容チェックせず掲載させてしまうのですが、私たち防災ガールは掲載される言葉などの修正をいつも”けっこう”しています。他とは被らない、他にはない内容にできる限りなるように。似たような内容を見たり聞いたことがあると、見ている人から「ああ似たようなものあったよな」とすぐ忘れられてしまうから。
そして何かを判断するときにすぐ思い出してもらえる存在かどうかも大事。今回に関していえば、2017〜8年の間に私たちは朝日新聞に何度か掲載されていて担当者や記者の方に思い出してもらいやすかったのではないかなと思います。
(macが壊れたときにすぐ相談したくなるのは、普段会わなくて遠くにいる専門家よりも、よく連絡とっているちょっとわかりそうな人に声かけるでしょ?^^)
5年も10年も前に掲載されたという事実があったとしても、”そのとき”に思い出してもらえなければあまり意味がない。だからこそ、継続的にメディアにで続けるのもスタートアップやNPOのPRでは大切だと思っています!
(この企業とかとは違う、NPOやソーシャルスタートアップのPRについてもいつかnote書こうかな)
③一般投票はSNSで完結でき、その数の多さで世界一が決まった
世界から選ばれた22人の中から世界一を決めるのは、SNSでの一般投票でした。ここからは自分たちの努力次第。普段からfacebookやTwitter、instagramのアクティブなフォロワーが多い団体・人が有利になってきます。
※アクティブなフォロワーとは
ただフォローして見ているだけの”ノンアクティブ(=non active)”でなく、情報が更新されたらいいね!やシェアなど行動を起こしてくださる”アクティブ(=active)”なフォロワー
防災ガールを応援してくださっている方々は、他のfacebookやTwitterのアカウントと比べるとコメントやいいねをよくしてくださり、何者でもなかった私たちをずっと応援してくださっている方が多いのが特徴です。(ああ、ほんとうにみなさんがいなかったらここまで成長していなかったです、みんな大好き…本当にいつもありがとうございます!!!)
今回も、お祭りのように「みんなで世界一になろう!」とfacebookやtwitterを日々更新して投票数を獲得していきました。
④2018年3月8日の「国際女性デー」の一環の企画だった
そしてここが見落としがちなのですが、「時代にあっているか」「今が時期なのか」という、いわば”タイミングを見定める”こともとても大切だと考えています。これを因数分解すると、「2018年」「国際」「女性」というカテゴリーで打ち出すべき人・団体であったかがそのタイミングを見測るキーワードとなります。
私たち防災ガールは、私たちがすごかったのではなく、この「タイミング」が良かったのが大きいのだと思います。災害が多発している今だからこそ世界的に今まさに考えるべき課題であり、さらには団体名にも「ガール」あるほど女性のメンバーがおおく女性ならではの考え方が入っていたことで推薦しやすかったのではと思います。
他の候補者たちも、この3つのキーワードのどれかに必ず特化していて、推薦しがいがある候補者ばかりでした。
4、周りの評価に自分を追いつかせる
これは予期せず、世界1位に選んでいただいたことで、自分が感じ、そして実際に起きたことを最後に書いておきます。
まずは、「世界一の女性社会起業家」になった瞬間にこれまで私や防災ガールのことを批判し続けてきた企業や行政から連絡がきたり、「この団体は俺が育ててやったんだ」というような言い方でシェアされはじめました。よくもまあ感ありますが、まあありがたいこと。そして、立場や獲得した賞の難易度やレベルが変われば入ってくる仕事や機会が変わりました。
そして、私たちの今度に期待をする人が多くなったということ。自分たちがやりたいと思うことを集中しているのももちろんいいですが、自分たちだけの未来や団体ではなくなったとかんじました。ゆっくり考えていられない、世の中や周りの人たちの期待に応えていかなくては…そう感じています。
(これも個人とコミュニティの大きさの変化によるアンコントロール感に関しては別記事で書こうかな)
何より嬉しかったのは、国内では事例が少なく理解されづらかった私たちの活動をすぐ理解してくださる方や、信じてくださる方が増えたこと。これまでは何度も説明しないと伝わらなくて、「私たちの活動がわかりづらいからダメなのかな」とずっとおもっていたのですが、そもそも「理解ある人」は別のところに居たんだなと思えるようになりました。世界的に有名なメディアCNNの記者の方を筆頭に。
ここまでいろいろと書きましたが、正直なところ世界一になったことそのものにはほとんど価値はなく、あくまで通過点でしかありません。
この世界一を獲得するまでにメンバーやたくさんの応援してくださる方の存在が今の自分を作っているんだと再認識したことや、その人たちの力が合わされば世界や社会が変わるかもしれない、そう感じたことが今回の一番の感激であり学びでした。
最後に、これを機会に国内外に隠され続けた社会課題を、代表として、責任持って発信していきたいと思っています。
長すぎかな..こんなんでいいのかな、noteって…!
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