「若くてかわいい」の呪い

姉(50代)がパート先でモヤモヤした話を聞いた。
パート先休憩室のパーテーションを隔てた向こうで、自分がいることに気づかずに話している二人の会話が聞こえてしまったのだという。

20代(女)のパートA子が、40代(男)社員B崎に何やら相談している。
どうやら年長のパートにいじめられているらしい。
(それは姉のことではないようだ)
その相談に対してB崎はこう慰めた。

「A子ちゃんは若くてかわいいから、ここのパートのババアたちヤキモチやいてるんだよ〜」

それに対しA子は曖昧な応対をしていたが、どうもまんざらでもなさそうな様子。

この一連のやりとりを聞いていた姉は、

①B崎のババア発言にムッとし、
②まんざらでもなさそうなA子にもイライラし、
③年齢など気にしてなかったはずなのにムッとした自分にモヤモヤした

というフローをたどり、そのモヤモヤは一日経っても消えないのだと言う。

下らないような話だが、ここには日本社会にかけられた呪いがよく見える。
「女性は若い方が価値があってかわいい」という呪いだ。

これについて論じるのはいい加減に手垢がつき過ぎているし、フェミニズムや逃げ恥の話をここでしたいわけではないので、詳しくツッコむことはしない。
ただ、私の姉はエイジングをむしろ肯定的に捉えるタイプで、若く見られることをまったく喜ばない。実際10歳は若く見られがちにも関わらず、だ。

人間は自分が自覚しているよりも、呪いや偏見の影響を受けている。
ふとしたタイミングでそれが表れると、驚いたり自己嫌悪に陥ったりする。

でも、過度に落ち込む必要はないのだろう。
それは自分をチューニングするためのサインだし、それをサインとして受け取れるということ事態、アンテナが立っているということだ。

それにしても…どうして日本は「若くてかわいい」をそんなに重視するんだろうか?
様々な論考があって、それらをざっと読んでもいんのだけど、いい加減にアップデートしても良さそうなのに…と諦めたりウンザリするばかりだ。やれやれ。

豊かな人生のために、ファッションのスパイスを。 学びやコーチングで自分の深掘りを。 私の視点が、誰かのヒントになりますように。