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ポンコツウィーク #ラトビア日記 37週目


2024年5月6日 ラトビアが雨だと日本も雨

 雨。さむい。

 こういう日は、無理にテンションを上げず、おとなしく家にいることにする。

 日本のゴールデンウィークにあたる期間は、ラトビアも独立回復記念日とその振替休日が重なって連休になっている。

 こういう偶然の一致を見ると、どんなに地理的に離れていても、地球はやっぱり一つの星なんだなと感じる。

 天気も、ラトビアが寒くなると、日本の一部地域──特に緯度が近い北海道付近も寒くなったり。科学的根拠はぜんぜんないけれど、ラトビアの寒気が、いろいろな大陸の空の上を経て日本にも届くのかな、なんて思う。

 とはいえ、なかなか気温は安定しない。

 日本ではもう半袖を着ていると聞く。

 こちとら、まだ毛糸のセーターを着ている(日によるが)。

 幸い、秋冬に頻繁に引いていた風邪も、ここ最近は滅多に顔を出さない。日光を浴びる期間が伸びたからかな? ビタミンD、大事。

2024年5月7日 騙された………

 オランダの家探しが、振り出しに戻った。

 というのも、Facebookでやり取りをしていた女性から、違和感のあるメッセージが届いたからだ。

 「あなたからの入金が拒否されたから、違う口座に入金し直して欲しい」と。

 初月の家賃とデポジット(退去時に返金されるお金)が、受け取れなかったという。

 嘘か本当か分からない。その上、2回も同じ額は払えない。

 「新しい口座に正しく入金されるか確認したいから、最初に数ユーロだけ振り込んで、受け取りが確認できたら、全額入金してもいい?」と提案。

 すると、「契約を急ぎたいからすぐに全額振り込んでくれ。他の学生からも連絡が来ているが、あなたは礼儀正しいからあなたとの契約を優先したい」とのこと。

 どうにもおかしいな、と思い、悶々としていると、ラトビア人の友人から「元気〜?」と連絡が。

 すぐに相談してみると「振込を2回も要求されるのはおかしい。It's red flag.」と言われ、ハッとした。

 やり取りしていた女性のFacebookページやメッセージを全部彼女に見てもらったところ。

 「これはものすごく良くできているけど、おそらくスパム(詐欺)だと思う」とのこと……。

 ッッッやられたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!

 騙された。たぶん。

 とにかく、すぐ気持ちを切り替えて、家探し再開。

 とはいえ、オランダは年中無休で家不足。その上、家賃もラトビアの5倍くらいする。

 オランダ滞在中は奨学金が出るとはいえ、なんとか安いところを見つけたい。

 冷静に考えたら連絡を取る中で「おかしいな」と手が止まるポイントは、いくつもあったわけで。

 「もしかしたらこの人も、わたしのことを思って言ってくれているのかも」と相手の善意を想像したり、早めに家が見つかって浮かれたりしていたのが恥ずかしい。

 とはいえ「今気づいて良かったよ、もしこのまま契約や振込を続けていたら、もっと悪いことになっていた」と言う友人の言葉に励まされた。

 ちょうどいいタイミングで、友人に相談できて、本当に良かった。

 しばらく落ち込んで、課題も手につかなかったが、彼女と連絡を取り合えて、心が落ち着いた。

 とはいえ、払った頭金はおそらく返ってこない。

 その分またどこかで稼がねば。とほほ。

 あーあ!! 空から1億円降ってこないかなーーーー!!!!!

2024年5月8日 捨てる神あれば拾う神あり

 昨日の落ち込みを若干引きずりつつも、気合を入れ直してオランダの家探し再開。

 なりふり構っていられないので、思い当たるプラットフォームにとにかく連絡を入れまくる。

 ありがたい連絡もいただいて、騙してくるのも人だけど、助けてくれるのも人だなと沁み入った。

 結局、Facebookで連絡をくれたイタリア国籍の女性は、本当に家を貸すつもりのイタリア人女性だったのか、スパムだったのかは分からない。

 ただ、もうFacebookグループの謎のアカンウトは信用しないと決めた。勘弁してくれ。

2024年5月9日 一歩ずつ

 ラトビアに来て、はじめて、気候危機ド真ん中のレクチャーを受けた。

 印象深かったのは、近所の人たちとのつながりや信頼関係を感じられるコミュニティほど、気候危機対策に寛容だという分析。

 それから行政が持つ力の強さと、行政に対する信頼は必ずしも比例しないという分析。

 初めて会う教授だったけれど、ヨーロッパ中心の大学や企業との連携プロジェクトに関わっていて、オランダの大学院でも勉強していたらしく、講義もデータやリソースがたくさんで、正直もっと話を聞きたかった。

 レクチャー後、長文メールを送りつける。

 クラスメイトと協力したグループプレゼンも、無事終了。

 気がついたら今週で春学期がほぼ終わるのだ。今季も無事生き延びた自分に、はなまるをあげたい。

2024年5月10日 ポンコツ発動

 雨。昨日晴れたから、雨でも許してあげる。

 ふと気になって「立花」の家紋を調べてみた。

 「橘」は貴族の家系の名字だが「立花」は武士。自分の性格的にも圧倒的に貴族より武士である。

 家紋を調べるうち、なんとなく自分のご先祖のことが知りたくなった。

 自分の背景を知ることが地域や国の歴史、ひいては世界の歴史を知ることにもつながるのでは、と思ったから。バタフライエフェクトというやつだ。

 夏休みで一時帰国したときに、調べてみようかなと思いました。

 移民局に書類を送ったのが先週末。

 もう1週間経つのになんの音沙汰もなく、不安で毎日メールを送っていた。

 そしたらやっと! 返事が来た!!

 しかし「この書類では次の手続きに進めない。足りない書類がある」とのこと。

 なぜ。

 事前に移民局に確認して、言われたものはすべて入れたが?!?!

 と思っていたら提出した先の移民局から電話が。

 知らない番号だったが「言われた書類を提出したので何が足りないか教えて欲しい」とメールした直後にかかってきたから、移民局だと直感した。

 週明けの月曜日、移民局に行って必要なものを改めて確認させてもらうことに。

 電話をした相手の女性が物腰やわらかい感じで、わたしが必死なのを感じ取ってくれたみたい。

 ちなみに電話を切った後、同封して移民局に送ったと思っていたパスポートのコピーがファイルから出てきた………。

 やらかした………。

 てかパスポートのコピーって真っ先に確認する最重要書類やん。

 なんで封筒に入れてなかったんだ。

 謎すぎる。

 Facebookのスパムといい、ポンコツの連続に落ち込み、無駄に遠回りして散歩して気持ちを落ち着かせ、帰宅。

 今週はいろんなことが起きるな。

2024年5月11日 地球は丸い

 気合いが入った晴れ。

冷たい風がまあまあ吹いていたが、寒さより日光を優先する人々
1870年からの建物を活用したベーカリー&カフェ「Rigensis
チーズとポピーシードのケーキ。ポピーシードは黒胡麻味に似ていた

 昨日、太陽フレアの影響で、ラトビアでも、そして北海道でもオーロラが見えたらしい。

 今週のはじめに「地球は繋がっている」と書いたが、まさにそれを体感する出来事。

 残念ながら、昨日の夜、わたしはオーロラを見れず……。

 今夜も挑戦してみたが、曇っていたのか明るすぎたのか、何も見えなかった。

2024年5月12日 五月病(仮)

 気持ちがいい晴れが続く。

 週明けに、移民局に行く。その訪問で、すべて解決するのか、モヤモヤする。ストレス。五月病かな?

 しかし、今モヤモヤしたところで何もできない。こういう時は、違うことをして気を紛らわせるに限る。 

 ラトビア人の友人にe-signatureの登録の仕方を聞く。

 日本は印鑑文化だが、ヨーロッパはサイン文化。

 わたしがサインになじみがなく、登録に悪戦苦闘したように、日本に来る海外の人たちは、ハンコ文化に翻弄されること必至。

 ハンコのほうが、むずかしいかもしれない。

 よく役所と銀行をたらい回しにされて何も登録できないという話を聞くが、ハンコが原因のケースもあるらしい。

 来週末は少しでも、諸々の手続きの目処が立っていますように。

今週の雑記: '書く'ことの暴力と'当事者'の境界線

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