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ベストオブラーメン

私の趣味は全国のラーメンを食すことである。

仕事柄、全国に出張する機会が多い私は、出張すると必ず現地で話題だったり老舗なラーメン屋に訪れるようにしている。

だが、どんなに食べログの評価が高いお店のラーメンでも、ラーメン○○大会で金賞のラーメンでも
美味しくて叶わないと思うラーメン屋のラーメンがある。

それは、新卒の時に配属された職場から徒歩三分圏内にあるラーメン屋のとんこつ味玉ラーメンである。

一見なんの変哲のないとんこつさんだが、とても染みたのを覚えている。

私は仕事中に嫌なことがあると、かならず帰り道にそのラーメン屋に行き、とんこつ味玉ラーメンと生ビールを注文した。

怒られたこと、理不尽だったことを思い出し半泣きになりながら、ラーメンのあたたかさで鼻水を垂らしながらガシガシ麺を啜った。

嫌な記憶を流すようにビールを喉に流し込み、シャキシャキのネギ、黄身がトロッとした醤油ダレが染み込んだ味玉、脂っこいチャーシューを無我夢中でむしゃむしゃ食べた。

食べ終わる頃には、明日もがんばろうとふわふわしながら考え、
ごきげんむふふな顔で「ごちそうさまでした」と店主に告げ、
足取り軽くおうちに帰ったものだ。

当時の自分にとって間違いなく、ソールフードと言えよう。

あの頃からラーメンに救われ、今に至る。

そう、ラーメンはボロボロな人の心を癒し、世界を救うのです。

新卒の時に食べまくったあのラーメン屋、まだやってるかな。今でもあのとんこつ味玉ラーメンが私の中のナンバーワンウルトラハイパーソールフードです。

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