探し物はなんですか~第5話:説明~
あまてらす太陽が沈み闇が迫る中、キョロキョロという擬態語を見事に体現するかの如く首を左右に動かしている男がそこにはいた。
私だった。
数時間前に走ったであろう場所を懸命に思い出しながら私は必死に探していた。
もしそれが落ちていたら路上でキラリと光るはずだ。自転車のライトで辺りを照らしながらゆっくりと進んでいた。
しかしいくら探してもでてこない。もしかして車が撥ねてあっち側にいってしまったのではないか、子供が遊んで適当に投げたりしてしまったのではないか。もはや走ってないところまで探していた。
向かいのホーム、路地裏の窓、こんなとこにあるはずもないのに。
私は自分に失望していた。いつもこうだよ。重要なものほどなくなった時に後悔が大きい。なぜもっとちゃんと管理していなかったのか。
どうして終わったりなくしたりしてからいつもそうだと気がつくんだろう。
おぼつかない足取りで家に戻ってきたときには辺りは真っ暗となっていた。さてどうやって入ろうかな。
そう考えていた時に偶然家から一人の男が現れたことに気づいた。その男は丸いメガネをかけていた。探し疲れた私はこう言った。
「家に入れてくれないか。。大事件が起きたんだ。」
そして私は事細かに一部始終を説明した。なぜ私が家のカギを持っていないのかを・・・
(※というわけでここから第3話に話が戻る。)
つづく
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