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4.マインドフルネスで怒りをコントロールする

美咲がいろいろな相談を受けるようになって、マインドフルネスやスピリチュアルに興味のある後輩の由香が興味津々に話を聞きたいとやってきた。

由香は、とても仕事熱心だが、思ったことをすぐ口にするタイプの子で裏表がない。

よく知れば、とても一生懸命でいい子なんだけど、その物言いから美咲もカチンときたことを覚えている。

由香は今日も彼氏と喧嘩をしたという。

そして、いつもそのパターンを繰り返す自分に嫌気がさしていて、喧嘩をした日はあからさまに表情にでるので、セラピストとしてはそこが課題であった。

色んな感情があり、うれしいことや楽しいことなら、周りに迷惑も掛からないのだろうけど、怒りの感情というのはコントロールした方がいいと由香と話す。

『そんなこと言っても・・・わたしばっかり我慢して…』

由香は、不機嫌な顔をしている。

美咲には不思議な経験があった。

マインドフルネス瞑想を初めて2カ月ほどたった時だろうか。

文房具屋で、同級生の千紗とその子供3人と出会う。

千紗の手には色とりどりの鉛筆が握られていて、それが小学生の娘のためだと気づく。

『美咲~うちの子たち全然勉強しなくてさ。』

千紗の娘たちが通う小学校は、校則が厳しい。

鉛筆は学校指定のものが決まっている。

美咲はその時、千紗にかけるべき言葉が2つ浮かんだ。

①鉛筆は学校指定のものって決まってるんじゃない?

②かわいい鉛筆!それでモチベーション上がったらいいよね!

美咲は一瞬考えて、②を選んだ。

千紗はうれしそうに

『さっすが美咲!ポジティブ!今度ランチ行こう!」

嬉しそうに帰っていった。

難しいことはわからないけれど、これがマインドフルネスが注目されるようになったSIYでいう感情知性(EQ)コントロールということだろう。

もしかしたら、その鉛筆は家での宿題用だったかもしれない。

私たちが、自分たちの経験や感情、いろんな色眼鏡で物事をみている。

マインドフルネス瞑想を継続することで、EQ(感情知性)は伸ばせると言われている。

☆EQ(感情知性)の5つの領域☆

①自己認識-自分の内側の状態、好み、資質、直感を得ること

②自己統制ー自分の内側の状態、衝動、資質を管理すること

③モチベーション(動機付け)-目標達成をもたらしたり助けたりする情動的な傾向

④共感ー他人の気持ち、欲求、関心を認識すること

⑤社会的技能ー他人から望ましい反応を引き出すのに熟達していること

もちろん、こんな理論的に順序だててうまくはいかない。

多くは、親子関係などの経験や環境により、深い気付きを得ながらそこを癒していく必要がある。

瞑想は、決して一人でするものではない。

そこをケアする心理学などの知識や経験、その人を決して一人にしないという愛をもって、共に進んでいくことが大切だから。

美咲は、このことを身をもって知ることになる。

これからもお役に立てる記事を書いていきます。