詩 『入道雲のその先に』
誰よりも正しいことが言いたくて
誰かのよそ見を遮った
誰かの笑顔を引っ掻いた
誰よりも現実を知っているから
誰よりも笑いたい
言いくるめられたあの一瞬に
少しきつい一重と三白眼
上部だけの付き合いとあの和やかな空気に
誰もが圧倒されている
辛いことは何もなくて
辛いことだけが襲いかかっている人を見て
そっと笑った
正しさより寄り添うこと
頑張れより頑張った
大丈夫?より大丈夫。
背中を寄せ合い
嘘の瞳で見つめ合う
誰もが泣いた。
誰もがこぞってみたのは綺麗な青空
綺麗な虹
綺麗な入道雲
それが暗じたものたちよ。