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鮮魚セットは新鮮だった

2020年おうち時間真っ只中、我が家は鮮魚セットと出会う。
鮮魚セットは鮮度抜群の美味しさと、普段とは違った子どもたちとの時間をもたらしてくれた。

もう遠い昔のことのように感じるが、今年の春突如「緊急事態宣言、外出自粛」が言い渡された。
小中学生がいる我が家ではそれよりも前の2月末「明後日から休校です!」というお達しがあり、急に早まった春休みに少しばかり混乱していた。

当時小6だった息子はこんな形で小学校生活が終わるというのに
「休み休み!ひゃっほぅ!」と顔に書いているかのように終始ニヤついている。
中2の娘は最終学年でもないのに「明日から先輩と会えなくて泣いた」
「先輩たち体育館で歌唄って泣いてた…」など感傷的なLINEを送ってくる。

そして母は、給食ないやんけ…と途方にくれていた。

来る日も来る日もおうち時間

フルコミットしたおうち時間では、うちには不要なものしかなかったのか…!と軽く落胆するほどの量を排出した断捨離をはじめ、ちょっと手間ひまかけた料理や娘が作りたがっていたインスタで人気の「ダルゴナコーヒー」「いちご飴」づくり、令和版ビリーズブートキャンプなどあらゆる方法で有り余るおうち時間を満喫した。

子たちが幼稚園に入る前、日中はずっと3人で過ごしていて、幼な子相手に今日は何をしようか?という毎日があったけど、十数年ぶりにまたこんな日々が訪れるとは。

そんな中、息子がみていたyoutube「きまぐれクック」にハマる。
きまぐれクックとは「捌いていくぅ⤴︎」の掛け声でお馴染みの「魚捌き系YouTuber」
ひたすらに魚介を捌いていて、丁寧かつ見事な包丁捌き、素材のよさを十分に生かし隅々まで余すことなく使い切る調理工程から、生き物への感謝が伝わってくる。
たまに素人じゃ目にすることもない珍魚や巨大魚を捌いてくれるのも楽しい。

毎日毎日華麗に捌くさまを見ていると、自分にもできるんじゃないか?という気持ちになってくる。
それは息子も同じだったようで、
「僕、魚捌きたい」と言い始めた。
母も大賛成で、すぐさまネットで「魚 産直」と調べた。
すると上の方に「漁師さん直送市場」というサイトが出てきて見てみると、5,000円〜10,000円くらいの鮮魚セットが並ぶ。

明瞭な産地と価格、サイトの整い具合から安心感がもてる。

とりあえず送料込み5,000円ほどのセットを注文してみる。
高知県からはるばる来てくれる。うれしい。


それがこちら。

どん!

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「ぎゃーーーー!魚の死体がいっぱいいるーーーー!!!」

・真鯵×5
・ハマチ
・メジナ
・スルメイカ×20
の4種類が入っていた。

釣りには行ったことがあるし、魚も捌いたことがあるけど、
大量の魚の死体が届いたことはないし、大きい魚はチャレンジングである。
この日のために刃渡り20cmの牛刀も購入した。

伝わりづらいかもしれないが、この真鯵めちゃくちゃ大きい。

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息子の初挑戦

息子、かねてからの野望、「魚を捌く」初体験。
まな板の横にスマホを用意し、動画を見ながら挑む。
腕まくりする姿が頼もしい。
しかし、普段包丁を握ることがない彼に捌けるのか心配で、手を出したり、口を出したりしてしまう。

「あーもぅ!めっちゃ身が残ってる。。!」
「そんなところから包丁入れたらあかんやん!」

うざそうな顔をする息子を見て、ふとよぎる。

子たちが小さい頃、全てが初めてで、うまくできなくても
「上手だね、うまくできたね!」って言ってたなぁ。。って。

体も大きくなり、言うこともいっちょまえな子たちに、
「できるのが当たり前」で接していることが多くなっていたことに気づくと同時に、まだまだ教えてあげないといけないことはたくさんあるな…と、
自分時間最高!と余裕こいていたところから引き戻される。

自分のやり方でやってもらおうと、そっと見守りお任せした鯵のお刺身がこちら。

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うんうんっ初めてにしては上出来!
自分でやって形になったことに満足げな表情を浮かべている。

私もうれしい。

心からうれしい。うれしい気持ちは十分に伝わったし応援したいが、1番大きいのも捌きたい!との要望は丁重にお断りした。
だってハマチは一匹しかいない。

というか、ハマチ、めちゃくちゃむずかしい!
真鯵のように引っ張って皮が引けないし、大きくて体力勝負。
胃袋の中には「スルメイカ」が丸々6匹入っていて、おっかない。
「食物連鎖なう」
スルメイカは実質26匹である。
メジナは鱗も骨も硬く皮も分厚くて、捌きにくい。ひれも鋭利で普通に負傷した。
ちなみに準備した刃渡り20cmの牛刀は刺身を引くとき以外、長すぎて使いづらく普段使いの包丁が捌きやすかった。

息子とわーぎゃーー言いながら、全ての素材の下処理をした。
寿司屋のきもち。

ハマチ

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メジナ

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お魚パーティーはじまる

当然この日から、数日間魚料理が続く。

我が家のお魚事情は、パックのお刺身・さば・ホッケの塩焼き・ブリ照り・ぶり大根くらい。
住まいが漁師町でもなければ、「ちょっと釣りすぎたんで。。」と釣果のお裾分けをしてくれるご近所さんもいないので、スーパーで切り身を買う以外にない。
こんなに潤沢に魚が冷蔵庫を埋め尽くすことは初めてで、完全にイベント、完全にパーティーである。

余すことなく食したお魚パーティーの様子をご覧いただきたい

●1日目
ハマチと真鯵とホタルイカのお刺身

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やはりお刺身は捌きたての醍醐味と言える

●2日目ランチ
ハマチと鯵の漬け丼(だし茶漬け)

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甘辛い漬け汁に漬け込んだハマチと鯵。お刺身とは違ったまろみがあってご飯がすすむ

●3日目
鯵バーグ
ホタルイカ煮付け
その煮汁炊き込みご飯

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捌くの失敗した鯵を使って、味噌を隠し味にそのまま食べても美味しい鯵バーグ。一緒に出したハニーレモンチキンが大絶賛される

●4日目
メジナのアクアパッツァ
メジナの沖縄風バターソテー

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メジナは淡白な魚とのことだったので、しっかりした味付けの調理をする。
(そろそろ洋のテイストを欲する)

●5日目
ハマチ大根
ハマチかま焼き

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魚の旨味を吸った大根 is king

お出かけや旅行など行きづらい日々が続いているけど、鮮魚セットは家族の思い出のひとつとなった。
食材の話や味の感想で会話が弾み、いつもよりゆっくりした食卓で、自分たちでイチから捌いて調理した食材を味わう時間を本当に贅沢だと感じた。
決して止まっても失われてもいない時間。

ちょっと手間はかかるけど、鮮魚セットで捌いて食す!
経験して本当によかった。

今年のクリスマスはおうちでお魚パーティーもよさそうですね!


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●おまけ●
気をよくした私たちは後日カンパチにも手を出しました

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