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日本の「避妊」をイギリスと比べてみた~プロローグ~

「性」の視点から日本社会を「見る」シリーズ。

第一弾は、「避妊」をテーマについて綴っていきます。今回はプロローグ。

「避妊」について考えるようになったきっかけは、2018年8月から約10か月にわたるロンドンへの留学でした。

エピソード1:大学にて、試供品のコンドームを配られる

9月に新年度がスタートした大学での、新入生歓迎週間での出来事。

大学の講義棟に入ると、ロビーで何か試供品らしきものを配っている男性の姿が目に飛び込んできました。プラスチック製の小さな四角い袋に入っているように見えたので、「シャンプーか何かかな?」と思い、近づいてみると…

なんとビックリ!男性用コンドームだったのです。しかも、パッケージがやたらオシャレ...(笑)

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コンドームを配っていた男性の正体は、NHS(国民健康保健サービス)のスタッフ。日本の保健センターのスタッフと考えてもらうとわかりやすいでしょうか。

コンドームを私に渡してきた彼は、「あっちのブースにいろいろリーフレット置いてあるから見てみてね!」と言って、近くに置いてあるテーブルの方を指さしました。

目を向けるとたしかに、ほかのNHSスタッフが特設ブースでリーフレットを配っていました。テーブルの上のリーフレットには、避妊専門クリニックの情報や、クリニックで入手できる避妊具に関する情報が書いてありました。

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日本の大学では、避妊に関する特設ブースが、こんなにもオープンに設けられているのを見たことがありません。ましてや、あたかも駅前で配られるポケットティッシュさながら、コンドームが試供品として配られるなんて、想像したこともありませんでした。

 避妊に関する情報がオープンにされている。

 若者が避妊に関する情報に簡単にアクセスできる。

これがイギリスなのだ、と実感した瞬間でした。


エピソード2:友人との会話で、避妊について語る

同じ寮に住む友人2人と一緒に夕食を食べた後、深夜まで話し込んでいました。一人は日本出身の女の子A、もう一人はスイス出身の男の子S。

深夜という時間帯も手伝って、話題は避妊の話へ。エピソード①で書いた、大学でコンドームをもらった話を私が持ち出してからの会話がこちら。

私&A:「日本ではそもそも配らないし、そうだとしても女子はもらいに行かないだろうね」

S:「え、なんで?女子も持ってるのが普通じゃないの?」

私:「え、男子が使うから、男子が持てばいいんじゃない?」

S:「でもさ、女子も持ってれば、いざって時に相手の男が持ってなかったら、『これ、つけろよ』って言えるじゃん?」


この会話は、良い意味で私に衝撃を与えました。

日本ではなんとなく、避妊を含めた「性」に関する話題はタブー視されがち。しかし、この日は性別という垣根を超えて、避妊についてフランクに語ることができたのです。ある種すがすがしい気持ちすら覚えました。

もう一つ、私の考えていた避妊の「常識」は日本特有のものであって、世界共通の「常識」ではないことに気付かされました。

日本では、

「避妊=コンドーム=男性主体でするもの」

という考え方が根強いように思います。しかし、Sの発言は

「女性が避妊の主体になることが当然である」

という考え方に基づいているのです。男性であるSに、女性である私がそのことを教えてもらったような気がして、大きなショックを受けました。


世界の「常識」とかけ離れた、日本の「避妊」

これらのエピソードがきっかけとなり、日本の「避妊」をめぐる環境が、世界のスタンダードとかけ離れていることに気付いたのです。

 避妊に関する情報にアクセスしづらい。

 女性主体の避妊がしにくい。

 そもそも、「避妊」についてフランクに語れる場がない。

こんな日本社会は変えていかなくては!と思いました。

そのための第一歩として、まずは一人でも多くの人に、日本の「避妊」の現状を知って頂きたい。

ということで、次回の note で日本の「避妊」をめぐる状況をイギリスと比べていきたいと思います。









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