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この国では、子供を作るべきでは無い

2歳半の子供がいる、子供はかわいい。しかし、子育てのために様々な犠牲を払ってきたし、その多くは予想していなかった。
これから子供を作ろうと思っている方に、届くと嬉しい。

この国はもう、子育てを前提に設計されない

夫婦と子世帯と妻と子世帯を足しても、3割しかいない。子供がいること自体がこの国では既にマイノリティだ。そんななかで子育て前提の制度設計なんてそうそうされないし、最もマジョリティである高齢者には、子育てを支援するインセンティブが何も無い。しかも、日本の政治経済の中枢は彼ら高齢者世帯が握っている。

また、子育ては経験してみないと子育てのツラさはわからない。僕も子育てをする前は、電車で満員電車に突っ込んでくるベビーカーを疎ましく思っていたし、迷惑だと思っていた。そして少子化が進むにつれ、子育てを知らない人は増えて行く。
子育ては自己責任だと思うしかない。社会や行政が助けてくれるとは基本的には思わない方が良い。

子育ては、あなたのキャリアを奪う

子育ては、睡眠時間、勉強時間、仕事の時間、趣味の時間を奪う。
保育園のやっていない土日はほぼつきっきりになるし、平日も仕事と子育てと家事で手一杯になる。
協力的な親族がいれば別だが、子供が生まれる前の親族の「協力するから」は信用しない方がいい、所詮は他人である。

僕は、そこそこ仕事が好きで、興味がある仕事に突っ込んできたが、子供ができてからは諦めることになった。
海外赴任、出張、資格取得、新サービスへの参加、日々のルーチンを送れなくなる仕事には参加できなくなる。
子育てが一区切りつく頃には、きっと最新技術も知らない、勉強もしていない、経験もない中年になることだろう。

子育ては、収入を奪う

子供を作るときに、子供が20歳になるまでいくらかかるだろうという計算はしていた。しかし、この計算だけでは誤りで、子育てにコミットすることによって自分の時間が奪われることでのキャリアの影響と、それに伴う収入の上昇の押さえ込みについても計算しなければならない。

ちなみに、配偶者にこのことについて説明し、納得してもらうことについては期待しない方が良い。どんなに将来の収入が減るから今残業しなければならないんだと言っても、単に「仕事を選んだ人」「言い訳」としか思われない。

子育ては、夫婦関係を奪う

「子はかすがい」というが、これは現代日本では決して良い意味では無く、夫婦関係が上手くいっていなくても子が居るから仕方なく一緒にいるという意味合いの方が正しい気がする。

朝6時半に起きて、保育園に預けて、23時まで残業して2時に寝る。
忙しさは余裕を奪う。余裕が無いと、配偶者の態度についても許容できなくなる。よくドラマで、仕事から帰ってきて妻が話しかけても生返事をする夫、という様子が書かれるが、本当に疲れている時には誰かの話を聞くことすら面倒なんだと、実際にその立場になってわかった。

これでも配偶者に時短勤務してもらってなんとかなっていたが、2年間経つと時短勤務はできなくなる。夫婦がフルタイムで働くと子供を7時半から18時半まで預けなければならなくなる。
事情を知らない人からは「子供が可哀想」と言われる。自分は実の母に言われた。なら、あなたが月に20万円くださいよと言いたくなる。

そう、子供はかわいい。それが一番問題だ。
両親だって子供を保育園などに預けたくは無いし、いつもニコニコ遊んでいたい。
しかし、共働きで働かなければ生活できないし、睡眠不足で子供に泣き叫ばれると、こっちも泣きたくなる。
これで子供が非行に走ろうものなら、「小さいときに子供に愛情を注がなかったから」と周りに言われるんだろう。
安全圏からの正論は、気楽で気持ちが良いものだ。

終わり

日々子育てをしていて、「やっぱりそうだよなあ」と思ったことを書いてみた。ちなみに今日は、14時からマンションの理事会なるものがあるので、7時半に子供を保育園に預けてきた。配偶者は今日も仕事だ
なんで強制的に理事にするの?なんで土曜に?なんで昼間に会議?それってZoomじゃダメなの?という感情を押し殺して、ニコニコと参加してこようと思う。
土曜に保育園を頑張った子供には、終わったら公園で遊んで、カレーを作ってあげよう。


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