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怒りのポイントカード/突然怒る人の仕組み

※先に断っておくと、これは「怒る人の脳内はこんなふうになっているんですよ」という真っ当で脳科学的なお話ではなく、「あいつの脳内こんなんやろ!ぷんぷん!」って言って溜飲を下げるための記事ですわよ※

「怒りっぽい奴はどこにでもいるから…」なんて安い励ましの言葉で、自分の感情や意見を飲み込みたくはない。ましてや明らかに自分に非がないときには、極力!

しかし、相手のあまりの理不尽さに咄嗟に声が出なかったり、反論のチャンスがなかったり、一周回って「おやおや?私が悪いんだっけ??」とパルプンテ状態になって黙ってしまうこともある。そうなると、後になって、「なんでや!なんでやねん!」って言いながら、うさちゃんをボコスカするしかない。

(父の)当たり判定が分からない

私の父は厳しい人だった。と、長らく思っていたのだが、最近になってなんか違うなと思い始めた。

ドラマを見るの禁止・「バカ」「アホ」などの言葉の使用禁止は分かりやすい方で、ある日突然「親には敬語で話しなさい」とルールを強いたり(なお父は1回寝たら忘れたようだったが、時たま思い出しては言っていた)、「脱いだ靴は揃えろ!」と昨日まで全く気にしなかったことで怒鳴ったりした。父に「買い物の帰りにアイスクリームを買ってあげよう」と言われ、嬉しさのあまり「本当に?!」と2回聞いたのが癇に障ったらしく、めちゃくちゃ怒られたこともある。たった2回で!ケチ!

父がドライブに行こうと言ったが、弟が行きたくないと答えたのでとばっちりを食った。「お父さんがなんで怒っているか分かるか?」と何故か私に聞く父。「…お父さんがせっかく連れて行ってくれようとしているのに、…」と言いかけたとき、父が言ったのは「『せっかく』じゃないならいいのかっ?!」……えーいっ、お前は面倒くさい恋人かっ!!(今なら知ってる、正解は「そんなこと言わせちまってごめんな…!」でしょ。)

「一番怖い人は誰?」という祖母(しかも父方)の無邪気な質問に、紛うことなく「お父さん(キリッ)。」と答えたのが父の耳に入り、「そういうことなら、お父さんのことが怖くなくなる日まで、お父さんはもっと怖くしないといけなくなる」という、ユニコーンの「すばらしい日々」もびっくりの超謎理論で怒られたこともある。なんだったんだあれ。

つまり、父は厳しいのではなかった。ちなみに、「我が子がグレたらどうしよう」という恐怖が、父の突発的な怒りの源だったようだ、ということが大人になってからなんとなく分かった。
(なお、叱ったり叱らなかったりというのは、教育にめちゃんこ良くないらしいので止めましょう。顔色を窺って世を渡るようになります。)

しかし、母を巻き込んでの笑えない事件もいくつかあったりと、「何がきっかけで・いつ・誰が父に怒鳴られるか分からない」(当たり判定が分からない)という状況は、長らく家族に小さくないストレスを与えていた。

怒りのポイントカード理論

そして私はある日、こんなツイートを見つける。

分かる!分かるけど、これ女性に限定しないでくれな。それだけで私の怒りのポイントが1つ貯まってしまうわ…!しかし、この話、めちゃくちゃ父に当てはまる!!!すごいぞ、これが連邦のTwitterの性能というやつか!

怨念は時に執念となる。私は父というサンプルを基に、「怒りのポイントカード理論」を組み立てたのである。

貯める編

怒りのポイントカードのポイントの貯め方である。もちろん、あんまり貯めたくない。

・ポイント2倍デー・5倍デーがある。カードの持ち主のご機嫌が斜めな日。この日はちょっとしたミスで、いつもの2倍または5倍のポイントが貯まってしまうので注意。

・共通ポイントカードがある。TSUTAYAのTポイントカードのように、多くの店でポイントを貯めることができるカードを所持している人がいる。「家族」用共通カード、「会社の人」用共通カードなどが挙げられるが、「あらゆる人」で貯まる最強共通カードの持ち主もいる。迷惑!!対象の人数が多い程、ポイントが早く貯まりやすいので注意。人別のカードを持てるくらいの心の広さが欲しいものです。

・有効期限つきのポイントカードがある。ポイントが貯まり切らなくても、最後の「怒りポイントの押印日」からある一定の期間が過ぎると、ポイント数がリセットされ0になるカードもある。


・サービスポイントがある。「Aの商品を買うと+30ポイントプレゼント!」のように、カードの持ち主の気に入らない人がミスると、他の人がやらかした時よりも多くポイントが貯まることがある。(逆にいくらやらかしてもポイントにならないキャラのやつもいる。うらやまー。)
また、誰であれ行為をすると+30ポイント、みたいなこともある。東方仗助の髪型を笑うと、一発でキャッシュバック開始するアレ。

他人にポイントを貯めさせる人もいる。「俺の舎弟をかわいがってくれたそうやないかい」とかいうやつ。暇人か?(現実にあるのか)知らんけど。

キャッシュバック編

キャッシュバック時にも注意が必要だ。

・キャッシュバックまでのポイント数にはカードで差がある。10ポイントでキャッシュバックのカードもあれば、1000ポイントでキャッシュバックのカードもある。必要ポイント数の多いカードを持てるよう心掛けたい。

・バック率はカードで差がある。100ポイント貯まった場合、100分のキャッシュバックが始まるかというと、そうとは限らない。100ポイントで1、くらいのバック率こそゴールドカード。バック率の低いカードを持てるよう心掛けたい。

・ポイントが貯まっても、キャッシュバック=「怒り」での返還ではなく、別のものに交換できる人もいる。人に話す、スポーツ、運動、買い物、家出、アルコール、関係ない人に告げ口して怒ってもらう等々…どんな「景品と交換できる」かはその人次第。

怒りのポイントカード理論の活用法

誰がどんなポイントカードをお持ちなのかは、長く付き合っていたら分かることがあるでしょう。…とか言いたいけれど、おそらく絶対分からない。

父の例でいえば、私が三十路になろうとする正月、テレビ番組の内容に関するちょっとした一言で近年稀にみるキャッシュバックキャンペーンがスタートしてしまった。約30年生きてきて、なんとなく当たり判定も分かってきて、年末年始は特に気を付けているにもかかわらず、である。どんなクソゲーだよ!

「怒りのポイントカード理論」の唯一の活用法は、キャッシュバックキャンペーンが始まってしまった時、頭の中で「ああ…ポイント貯まったんだな」と思って自分の心を落ち着かせることだついでに、「またあと50ポイント分は怒られずに済むかな~」と考えて気を取り直すことができる(かもしれない)。

父のカードは(今はどうだか知らないが)、全店共通ポイントカード、しかもポイント倍増キャンペーンが頻繁にあり、誰にでもキャッシュバックOKのカードだたのだろう。と考えると、少し気が晴れるような。いや、そうでもないか。

今日もどこかで誰かのポイントカードがキャッシュバックの1歩手前だ。怖い怖い。怖いと思うなら、己のポイントカードくらいは余裕をもって管理しませうね。おしまい。

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