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母、Photoshopを使う

「お絵かきを趣味にしようと思って。」
母がそう言うので、私が以前使っていたノートパソコンとペンタブとペンを貸すことにした。
古いVAIOでやや画面が暗くなってはいるものの問題なく動作するし、中にはPhotoshopとIllustratorが入っている。
使ってないノートパソコンに制作ソフトが入っていることを伝えると、使う意欲を見せたので貸すことにした。
私が推し君の誕生日にイラストを作成しているのを見ていたので、興味が湧いたようだ。
仕事で作ったものを見せてもあまり興味を示さなかったのに、やっぱり推し君はすごい、存在してるだけで人の役に立ってる、最高。

海禄母、50代にして初めてのPhotoshop。
イラストを描きたいとのことだったので、フリーのペイントソフトでもDLしようかとも思ったがやめた。
母は毎年自分のPCで家族写真を元に年賀状を作成しているので、写真加工もできた方が色々便利だろうと思う。
それと、母はものづくりを通して何か新しいスキルを身に付けたいと少し思っているようだ。
今は会社勤めしているけど、いつまで今の仕事ができるのか・・・などなど少し不安な要素もあるらしい。
いつか会社を離れても何かできることがあれば母にとって良いと思う。
イラストを仕事を受けられるレベルまで上げようと思うと、結構努力しないといけないと思うし、そこまで母の関心が持つか微妙なところがある。
Photoshopはイラスト制作ではあまり使われてないかもしれないけど、写真加工や切り抜き作業などの業務ができるし、バナー制作などもできる。
Photoshopに慣れたらAIを覚えても良い。
仕事できるレベルまでいかなくても、新しく何かできるようになったという自信だけでも持てたら良いと思っている。

母はAdobeの製品は使ったことがないものの、事務職なのである程度PC操作にはなれている方だと思う。
自分で年賀状を作成して、文字を入れたりもできるのでPC操作に関しては全くの素人ではない。
とはいえ、初めて触るソフトなのでまず楽しさを感じてもらえないと続かないだろう。
そのため少し下準備と、教える順序を考える必要があった。

下準備

母にPhotoshopを教えるに当たって、まず専用のワークスペースの設定を行った。
ワークスペースとは、ソフトウェア上の作業環境のことで、立ち上げたときに何の機能のパネルをどのように表示させるかを設定する。
母の目下の目的はお絵かき、イラストの作成なので、カラーパネル・レイヤーパネル・文字パネル・段落パネルを分かりやすく表示することにした。
そして母の名前でワークスペースを新規登録しておくことで、色々触っているうちにパネルを消してしまったり、使わないパネルを表示して混乱した時にすぐ戻せるようにしておいた。

初めてのPhotoshop、ペンタブ

母はPhotoshopもペンタブも使用するのは初めてである。
とにかく必要最低限だけ教えて、あとは自由に触らせることにした。
仕事でもないのに、あんまりアレコレと口を出しすぎると自分で使う意欲を削いでしまうかもしれない。
母は一度難しいと感じると諦めるのが早いので、ある程度やりたいことをカバーできる程度教えてあとは自由にさせておく方が良いと判断した。
Photoshopはドキュメントの作成・保存方法と、各パネルの使用方法、お絵かきに使えそうなブラシと消しゴムなどの機能の説明、写真の配置とフィルターをメインに説明。
これでも途中でやる気なくすかな?と思っていたけど、割とずっと関心を持って聞いてくれた。
まあ次作業する時には忘れているかもしれないけど、分かりやすいようワークスペースは設定してあるので、母なら使いながら覚えらえると思っている。
これ書きながら思ったけど使い方まとめた資料作っとけばよかったな・・・。
ペンタブの操作に関してはまだまだ時間がかかりそう。
画面を見ながら手元のペンを動かすことや、ペンとタブレットの距離感、タップして選択するのが難しいみたいだ。

反応が良かったこと

初めての作業で覚えるのは大変だったと思うが、レイヤーの操作、カラーパネルの操作に関しては反応が良かった。
レイヤーに関しては「アニメのセル画みたいなものね」と理解が早かったし、CMYKやRGBの説明は面白そうに聞いてくれた。
大人になっても、親が自分の好きなことに関心を持ってくれるのは嬉しい。
久しぶりにCMYKがシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックで〜とか説明してなんだか自分でも新鮮な気持ちになった。
私も高校時代初めてPhotoshopに触れたときは、CMYKとRGBの違い一つで「ほぉ〜」となっていたなぁと。
あと、直線が簡単に描けることが嬉しかったようだ。
母が手書きで絵の練習をする中で、直線を描くのを難しく感じていたらしい。
何を描きたいのかはまだわからないが、何か役立ててくれたら良いな。

娘にもできることができた

母にはまだ一度しか操作方法を教えていないけど、割とすぐPhotoshopでの作業には慣れるんじゃないかと思う。
母は元々美術展など鑑賞に行くのが好きな人でもあるし、娘はデザイナーだし。
私がPhotoshopを教えることで、母が自分にできることが増えたと自信を持ってくれれば良いと思う。
まだ始めたばかりなので、どうなるかはわからないけど、いつか母が匙を投げてしまうかもしれないけど、ただ私はいつでも教えるつもりでいよう。
私も改めて勉強に力を入れようと思えたので良かったと思う。
母がやりたいことができるようサポートすることで私も得るものがあるはずだ。
独身を身勝手に謳歌している29歳児としてこれくらいの親孝行はせねば。