ただのデザイナーが数十万かけて古河藩重臣・藤懸家の蔵から出てきた古文書を取得した話

歴史好きだからって数十万かけて古文書を取得するであろうか。我ながら酔狂だと思います。

というわけで藤懸静也旧蔵からでた古文書たちを手に入れました。
藤懸家は古河藩の重臣であり、藤懸静也は日本美術史学者なのですが母方曾祖父が鷹見泉石という関係性です。
この中には鷹見十郎左衛門（鷹見泉石）からの書状も入ってるそうです。
素人が知識なく扱うのは怖いので、まずは役所と歴博に連絡してみます。

数十万で買っちゃった…

数年前から売りに出ていた古河藩の重臣であった藤懸家の古文書たち。
推しである泉石の書状も入ってるし、しかるべき所が購入して保存してくれることを願って見ていたのですが、待てど暮らせど売れることなく。
旦那が「どうせなら買ってみよう」と背中を押してくれたので古書店に連絡をしたところ「倉庫移動の時に行方不明になっています」との返答。
うそやん…そんなことってある！？

こんな理由で古文書って紛失するんだという衝撃と、泉石レベルの書状が消えそうという悲しみと、とにかく古河の歴史への糸口を消してはならぬという謎の使命感で探しだしてもらいました。
取得費用のクラファンの実施など考えたのですが、グダグダと悩んでいる間に行方不明になっては困るのでエイヤ！で取得しました。

みろく頑張ったやん、と褒めて下さるみなさまは今後ともこがにゃんこを推して下さい。よろしくお願いします。

応援の方法は古河市内で販売しているグッズの購入し愛用していただくほかに、滅多に更新できてないですがFANBOXもあります。何卒。
https://koganyanko.fanbox.cc/

突然の身の上話

さて自分の活動を立ち返ると「歴史を守り、活用し、生活の一部にすること」が目的ではないのかと。
それなら売りに出されている古文書をエイヤ！で取得して、散逸を防いだ上で次の手を考えるのがデザイナーではないかと。
とはいえ、数十万かけて取得するというのは勇気がいる行動でした。

今回購入の後押しになった身の上話を少しします。
栃木県には壬生氏という戦国武将がおりまして、その旧臣が私の先祖です。江戸時代は名主をやっていたそうですが、詳しいことは分かりません。

そんな小太刀家も本家が蔵の中身を全て売り払ってしまいまして。
家宝だけは曽祖父が守り抜いたものの、裃や薙刀、きっとあったであろう文書はすべてなくなりました。
蔵の中身を売り払うというのはあるあるですし、興味がなければ邪魔でしょう。
何より事情はあると思うので「しょうがなかった」と諦めているのですが、蔵の中身を失うことで先祖にアクセスできなくなったのは自分の中でネガティブな体験になっています。
（補足ですが私は跡取りではないのであくまで感情と感想です。家のことは跡取りが決めれば良いと思っています。）

そんな我が家は父の代から東京にでて、その後は古河に移住します。
しかもかつて武家が多く住んでいた地域を選んだわけです。なんなんこれ。

そして古河の歴史が好きになり、デザイナーになり、こがにゃんこをやってる。
蔵の中を散逸するとどうにもならんという体験をしたからこそ、故郷古河の史料散逸を防ぐために購入するのも良いのでは…

長々と書きましたがこれも何かの縁であろうと、数十万払うことに怖気づく私は適当な言い訳を見つけて取得してしまったわけです。

散逸を防げるのもこがにゃんこを応援してくれる皆さんのおかげ

とはいえ先立つものがなければ取得はできません。
こればかりは本当に応援してくださる皆さんのおかげです！
いつもありがとうございます！！

いつもこがにゃんこを応援し、仕事を発注してくれ、グッズの愛用してくれ、なにより純粋に可愛がってくれる地元の方々や民の皆さん、そしてこがにゃんこの活動を認めてくれる現職のおかげです。

古文書取得を後押ししてくれた家族も大きな存在です。
そして取得に悩むみろくのグダグダを聞いてくださった友人の皆さん。ありがとうございました

やらぬ後悔より、やって後悔！！
まさか年の瀬に藤懸静也旧蔵の古文書を手に入れると思いませんでした。
これもデザイナーとして新たな課題に出会えたと思って保存と活用にトライしていきます。

古文書の取り扱いは注意が必要なので、すぐに何か動けるものではないですが、活用を模索していきます。こがにゃんこのグッズなどにも活用があるかもしれません。

デザイン思考を用いて、歴史を守り活用することが私の目標です。
何卒、今後とも勢い余って古文書を取得してしまう小太刀御禄とこがにゃんこをよろしくお願いします！！！