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2022.10.6 ヘルシンキの公共サウナに行ってみた話♨️

旅の進行とnoteの進行があまりにも離れてきてしまったので、フィンランドの首都ヘルシンキからはひとつだけ、1番印象深かった公共サウナのお話を!

せっかくフィンランドにきたんだから…

ヘルシンキの滞在はたったの2泊。首都なだけに押さえておきたいスポットも多く、時間が足りずに一度は諦めかけた「サウナ」体験。
でもせっかくフィンランドに来たんだから、やっぱりそれは外せないんじゃない?それも地元の人が集まるような、文化そのものが見えるところに飛び込んでみるべきじゃない?
そう思ったらもう、陽が落ちる前に、暗くなる前にと、全速力で走ってGoogleマップで見つけた「public sauna」を目指した。

近くまで来て恐る恐るマップに示された方向を覗いてみると…
そこには私が想像していたような入りづらさは全くなく、とてもとてもカジュアルで明るい雰囲気に包まれていて、どんどん人が集まってくる。
聞いたところによると、ここには"スタッフ"というものはおらず、自分達で薪を割り、自分たちで火を起こし、自分たちで石に水をくべてサウナの空間を作り出している。
「公共」というとなんだか汚そうなイメージを持つけれど、本当に綺麗にされていて
利用する人々がどれだけここを愛し大切にしているのかがよくわかった。すごいことだよね。

驚きの光景!~文化に触れる、という体験~

実は日本でもサウナというものをほとんど体験したことがなかった私。スーパー銭湯についてるところに入ってみて、すごく苦手だったものだから…。
でもここまで来て入らずに戻るなんてことができましょうか!
心を決めたものの、まずキョロキョロ。どうしたらいいのかさっぱりわからない〜😂 2人組で来ていた女の子にhow toを聞いていざ入ってみる。
そしてそこで見た光景に、私は今までの旅のどんな瞬間よりも大きなカルチャーショックを受けた。
そこでは男性も女性もありのままの、なにも隠さない姿で身を寄せ合い、空間に体を委ね、語り合い、笑い合っている。そこには何もおかしなことはなくて、みんなが同じひとりの人間としてそこに存在していることが明らかだった。
なんて、なんて素敵なことなんだろう!

極寒の海に浸る

じっと熱を感じてカラダを温め、外に出ると目の前に広がる海に飛び込む。飛び込む、というより、浸す、というかんじ。
冬を迎えようとしている北国の海に、素の身のまま、浸る。
もちろん、ゔぅ…と声が出るほど冷たい。でも、水面から見える水平線とそこに浮かぶ木々の輪郭。ピンク色に染まった雲が薄く広がる空。目線の先に見える全ての景色が、それはそれは本当に美しかった。

旅行者としてのマナーと責任。

本当に恥ずかしくて情けないことだから、正直なところ文章にしようか迷ったけれど
自分への戒めの意味も含めて、共有したいと思います。

サウナと海を2往復して、暗くなる前にそろそろ戻らないと、と帰る支度をした私は、あまりにも美しかったその海の景色を写真に収めていた。
その時、1人の男性が「写真を取ってはいけない。ここでは服を着ていない人もいるのだから。」と私に伝えに来てくれた。
もちろん人が写らないようにしてはいたけれど、考えてみればそれはそうだ。焦った私は言葉が出てこず、謝ることすらできなかった。
ひとり落ち込みながらの帰り道、考えれば考えるほど、なんてことをしてしまったんだろうと後悔が押し寄せた。
あの空間は、訪れる全ての人がフィンランド文化に対する敬意を持ち、尊重することで成り立っているからこそ素晴らしい。それなのに、私がしたことはそれを壊してしまう、乱してしまう行為だったんだ。本当に取り返しのつかないこと。
これによって、次に訪れるアジア人に対して嫌な目を向けられることだってあるかもしれない。
ひとりの旅人、旅行者としての責任を初めて痛感した出来事だった。

私はアジア、アフリカ、中米、そしてヨーロッパ、いろんなところを訪れてきたけれど、大抵どこへ行っても日本人だというと喜ばれ、優しくしてもらってきた。これまでの日本人旅行者の行いがそれをもたらしてくれているんだよ、と旅の先人たちが教えてくれたけど、本当にその通りだと思う。
そういう意味で自分も"これから"を作っていく立場にあることを今回のことで自覚したのでした。
学びになった、で終わらせていいことじゃないし、その時その時の思い出に後悔を残さないためにも、絶対に忘れないように。

…ということなので、写真は載せられずごめんなさい。トップの写真は港のマーケットの風景📸
船の上からお店を出してるの、とても可愛い!

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