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食品業界に変革をもたらす米国のフードテックスタートアップ

こんにちは、Marketing TeamのMireiです。

Plug and Play は、先日 "Consumers are Revolutionizing the Food Industry” という記事を公開しました。この記事では食品業界に変革をもたらす米国のフードテックスタートアップが紹介されています。今回はこの記事を翻訳していきたいと思います。

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消費者はマーケターが入念に検討し作成したコンテンツを受動的に信頼し受け取るばかりでなく、能動的に調査・検討する時代になってきました。こうした時代の流れの中で、「購入」という行為は消費者にとって自分の主義や主張を表す「表現」の一つに変わってきたとも言えます。この変化は食品業界において特に顕著です。食品業界の主要ブランドは次々と消費者に伝えるイメージやミッションを再構築しています。

消費者にとっての購入体験とはどのようなモノなのか? - なぜその体験を理解することが大切なのか?

最初にブランドを知ってから商品を購入し購入後にカスタマーサービスを受けるところまで全てのサイクルを「カスタマージャーニー」という言葉で表します。消費者は低評価のレビューを書きたくなるような最悪な体験も、良くも悪くもない体験も、一生ここで商品を買おうと決意するような素晴らしい体験もすると思います。消費者は総合的により優れた「体験」に対してお金を払います。ブランドが行うストーリーテリングから入店した際の挨拶や顧客対応、これらのレベルの違いがブランドへの忠誠心や嫌悪を生み出します。

ここで一度、購買までの全てのプロセスを細分化して見ていきましょう。

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Phase I: Awareness and Brand Exposure (認知とブランドの露出)

購買行動の最初のフェーズは認知とブランド露出です。 通勤中に見る看板、インスタグラムのスポンサー広告、これが購買に繋がるかもしれない第一歩です。小売業者ではなく消費者が力を持つようになったことによって、食品業界の企業のマインドセットは大きく変化しました。そこで出てきたのが利益を第一の目的とはせず社会的責任やサステイナビリティ優先する企業で会う。地球と人々を守ることをミッションに掲げている企業は市場で存在感を表しています。

例えば、コカ・コーラ社は、持続可能パッケージ・イニシアチブ “A World Without Waste(廃棄物のない世界)” を発表しました。顧客が支持するミッションを掲げることで、顧客はブランドをポジティブでインパクトのあるミッションと関連付けることができるようになります。

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Phase II: Evaluation (評価)

次に存在するのは、購入するか否かの判断をする上で重要になる評価のフェーズです。評価をする上で消費者はアマゾンのレビューやブログ記事などを参考にします。特に食品業界では、調達から販売までのサプライチェーンに消費者の関心が集まっています。情報がこれまで以上に透明化している昨今の状況は、ある意味では企業にも説明責任がある時代になってきたということを表しています。病原体検査技術の進歩、貯蔵寿命延長のためのコーティング技術の出現、ブロックチェーン追跡のためのアプリケーションは、サプライチェーンを守るために貢献してきました。

アメリカのスタートアップである Babylon Micro-Farms は屋内農業を可能にし地産地消をすることでサプライチェーンを完全排除しました。また、アメリカの Cambridge Crops は肉、魚介類、生鮮食品の腐敗を遅らせる、無味無臭且つ目には見えないバリアを開発しました。消費者はこのように食品の製造方法や表示方法が変化していく様を目の当たりにしてきています。様々な情報や知識を蓄えた消費者はそれらの知識を踏まえた上で、「買う」「買わない」の判断をするのです。

Phase III: The Purchase (購入)

次に出てくるのが購買という重要なフェーズ。消費者に実際に商品を買わせるというのは容易なことではありません。購買までをアシストするチャットボットは必要だろうか?玄関先まで来る自律型ロボットを導入すべきだろうか?様々なテクノロジーが発展する中、どのテクノロジーを採用するかを見極めるのは非常に難しいことです。

Phase IV: Post-Purchase (購入後)

消費者が商品を購入したとしましょう。しかしカスタマージャーニーにはまだ最後のフェーズがあります。それが購入後の体験です。どの製品・サービスにも期待していたものと現実のものとの相違が存在するはずです。この期待と現実の相違は購入後に書かれるレビューや消費者が企業に抱く信頼感に大きく影響を及ぼします。どのような期待値を持っていて、届いた商品はどのようにその期待とは違ったのかといった消費者の率直な意見を自動収集するマーケティングアナリティクス企業も急増しています。

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出典:Qbit 公式サイト

アメリカのスタートアップであるQbitは商品に対する消費者の生の声を収集し適切な経営判断に役立てる仕組みを作っています。企業が一方的に発信するのではなく企業が顧客の声を積極的に聞き、経営に役立てる。そんな時代が来たと言えるでしょう。

Innovation in Brands (ブランドのイノベーション戦略)

「ブランドは消費者が求めるものを提供する」そんな時代が来ました。聞いたこともないような大胆な新フレーバー、機能性食品、ユニークなパッケージを展開することで食品・飲料業界を率いている企業がいます。Wild Forが販売する古代穀物スーパーフードやOcean's Haloのうま味海藻フレーバーのスナックなど、他商品との大胆な差別化は顧客の興味を引くための基本となるでしょう。

大企業には新たなアイデアを結実させるための時間と忍耐力はほとんどありません。だからこそ、大企業は今、伝統的な重点分野以外の異なる市場セグメントに進出するために、新興ブランドに目を向けたり、買収を進めています。

9月8日フードテックオンラインイベント開催決定

バリューチェーンから紐解くフードテックの最新情報

あらゆる産業でイノベーションの推進が行われていますが、特に私たちの生活を支えているのは「食」です。今回の記事でご紹介したのは米国のスタートアップ3社ですが、9月8日には日本のフードテック スタートアップ3社と米国の1社がピッチをするオンラインイベントが開催されます。バリューチェーンから紐解くフードテックの最新情報をテーマにFarm to Tableにおけるテクノロジーの活用性をご紹介しますので皆様のご参加お待ちしております。

事前登録はこちらから
https://plugandplay.zoom.us/webinar/register/WN_tctZpfglTCKsfoYFkvh0Gg

AGENDA:
16:00~16:05 Introduction by Plug and Play Japan

16:05~16:30 Keynote – 野村アグリプランニング&アドバイザリー株式会社 佐藤調査部長
・日本におけるフードテックの活用可能性、
・日本における食xイノベーションのマーケットポテンシャル

16:30~16:35 Intergriculture スタートアップピッチ
所在地:日本
事業概要:汎用大規模細胞培養システム「CulNet System」を用いた有用成分、化粧品、食品、細胞培養肉の研究開発

16:35~16:40 LOZI ピッチ
所在地:日本
事業内容:食品のサプライチェーンと安全性を可視化するオーガニックスマート

16:40 ~ 16:45 Renewalmill スタートアップピッチ
所在地:US California
事業概要:食品の副産物をアップサイクルし、ゼロフードロスを実現

16:45 ~ 16:50 10x スタートアップピッチ
所在地:日本
事業概要:小売・流通事業者向けに、開発不要でネットスーパー/オンライン販売チャネルの立ち上げが可能なサービスStailerを提供。圧倒的に便利な顧客体験の実現を目指してる

16:50 ~ Closing by Plug and Play Japan

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