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読書メモ|「具体⇄抽象」トレーニング

第一章なぜ具体と抽象が重要なのか

ネットやSNSの世界では、書籍や論文のような構造が明確で広範囲に編集された抽象度の高い情報よりも、断片的な情報が増えていくことから、情報における関係性や構造が失われ(あるいは考えなくて済むようになり)縦方向の思考はますます浅いものになっていくことが予想されます

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「不毛な議論や無用な軋轢」の大部分は「具体と抽象」が混同されていることに原因があります。例えば「客観的な一般論に対しての主観的かつ個別論からの反論」などはあまりに頻繁に起こっている不毛な議論です

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第三章抽象化とは

「複数の事象をまとめて扱ってしう代わりに、個別事象の特殊性を一切無視する」と言うのが抽象の世界ですから、そこに必ず抽象の歪みが生じるのです。
(中略)
フレキシブルに考えられる人は、環境変化などによってこのような「歪み」が増えてきた段階で「再度線を引き直すタイミングである」と判断して、再び具体的事象を観察してから抽象化するという思考回路が起動するのですが、具体派の人たちは「一度引いてしまった線は絶対的なものである」と思ってしまうためにギャップが生じると言うわけです

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具体の世界のみに生きる人には抽象の世界は見えないのです

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常に共通点や一般論を探しに行こうとする「抽象派」と、相違点を探しに行こうとする「具体派」の対立も永遠の課題と言えます。

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第五章具体抽象ピラミッドで世界を眺める

素人には「専門家」は10把ひとからげに同じ人物に見えてしまい思考停止してその意見を盲信してしまう傾向があります。案の定この手の議論では、しばらくすると「別の専門家」が現れて、前の専門家の意見を全否定すると言ったことがよくあります、所詮、「専門家の意見」と言うのも「数ある見解の1つ」でしかないのです

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要は「本質と言う言葉の本質」は「自分にとって都合のいい性質を抜き出したもの」であると言えるでしょう。

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感想

  • 具体・抽象を合わせないと話は通じない

  • しかし、具体派の人には抽象はわからない

  • 抽象化すると言うのは例外を切り捨てること

この本を読んで具体の世界に生きる人に抽象の世界が見えないと言うことがわかったのは大きいです。抽象化する時には例外を除外するのに、具体の人はその例外を拾ってきて「違うじゃん」って言います。いつも「なんでそうなるかなあ」って思ってたのですが、理由がわかったので次回以降に活かせます。

岡田斗司夫先生が、「ロジック(論理)の話についてゆけない人がいる、彼らは自分の経験と感情の話しかできない」(うろ覚えだけど)って言ってたのに少し似てる気がします。

ベストセラーなわけです。
わかってると社会生活が快適になります。


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