見出し画像

輝け!昭和50年代歌謡祭~時代を彩る歌姫たち~レポート②

このコンサート、当日の2024年1月17日はとても天気がよかったのですが、16日の深夜1時か2時あたりだったと思いますけど、ふとスマホを見ると「大雪注意報」の通知が。

――あれ?今日って大雪の予報だっけ?でもいらっしゃるとしたら、みなさん忙しいし、当日の朝かな?だったら、晴れるっていうし大丈夫だよね。

そう思っていたのですが「来道前倒し」だったんですね……!
太田裕美さんのTwitter(X)を見て驚きました。欠航にならなくて、ほんとうにラッキーでしたね。

今回のコンサートで、もちろんそれはいい(?)MCのネタとなったようです。わたしとしては、とにかく無事にお越しいただいて(帰りも無事に東京へ着いて)安心しました。


★こぼれ話いろいろ(第1部)

真知子さんといえばやはり「話がおもしろい」というイメージだと思います。そこに昔からテレビなどで共演することも多く、仲のいい岩崎宏美さんや太田裕美さんも加わるのですから、歌はもちろん、トークも楽しみでした。

★歌姫たち登場

さて、レポート①でそれぞれの誕生日とデビュー日・デビュー曲、当時のキャッチフレーズを書いたのですが、覚えていらっしゃるでしょうか。

今回、不意打ちを食らい、メモしておけばよかったと激しく後悔したのですが、司会の内山アナが歌姫たちを紹介する際、
「それでは当時のキャッチフレーズと一緒にお呼びしましょう」
みたいな感じで、それを読み上げだしたわけです。

いやもう、急にそんなことを言われて、まだメモも用意していなかったので、焦って聞きそびれてしまいました。
――えっ!?あれ!?真知子さんにキャッチフレーズなんてあったっけ??

すごく気になるなあ。真知子さんのキャッチフレーズ覚えている方、またはメモしていた方、いらっしゃいます?当然ながら、①で紹介したキャッチフレーズどおりではありませんでした。

太田裕美さんは「まごころ弾き語り」で、岩崎宏美さんも「天まで響け岩崎宏美」と、①に書いたとおりだったのですが、前回さらっと真知子さんのキャッチフレーズに疑問を呈したのは、そういう理由からなのです。もしかして、ホントはないけど合わせて作ったとか……?

そんなことを考えているうちにみなさんが勢揃いして、トークが始まりました。

「3人同じ飛行機で来たんですけど、4時間待たされちゃって」
太田裕美さんの言葉に岩崎宏美さんが、

「4時間もあるならいいかと思って、そんなに強くもないのにハイボールを2杯飲んでしまいまして。わたしだけ遅れて出発するのかと思いました」

こんな感じで返すと、
「自分でそれバラしちゃうっていうのも……」
みたいに突っ込まれて楽しい雰囲気に。

太田裕美さんは2023年の夏にプライベートで北海道に来ていたそうで(!)
そのイメージもあり、大雪にとても驚いたとのこと。真知子さんも、以前さっぽろ雪まつりで凍ったマイクに唇がくっついた、という話を持ち出していました。

ただ、真知子さんはやはり、名前こそ挙げなかったものの、2023年に続いた訃報が気になっていたようです。

「去年はポップスの歌仲間たちが次々といなくなってしまい、偉大なハスキーボイスも……」

でも、そこからは切り替えて、いつもどおり元気な真知子さんでした。そういうところを見ていると、ほんとうに真知子さんは情に厚い方なんだな、と思います。

※ちなみに、日々薄れそうな記憶を引っ張りながら書いていますので、みなさまのセリフは一言一句同じではありません。そのあたりをご理解のうえで、雰囲気を楽しんでいただければ幸いです。

★アゴ引いてかっこよく

「When I Fall In Love」を歌い終えた岩崎宏美さんが、次の曲に関するエピソードを話し始めたのですが、もう、これでわかりますね。
「この歌は、コロッケがやってくれちゃって」
みたいな調子だったと思います。

そんなふうに言われると、当時のものまね番組を見ていた世代なので、即座に半分白目剥いて「いーっ」と口を横に引いて歌うコロッケが目に浮かびました。それと同時に、
――早いなぁ、ここでもう「シンデレラ・ハネムーン」出すのか!
とも思ったのですが。

「この曲疲れるのよ」
「わたしあんなにアゴ上げてないと思うんだけど」
「せっかくアロージャズさんに演奏してもらうなら、これをやらないと」
「今日はアゴ引いてかっこよく歌いますよ!」

こんな感じで笑いを取りつつ岩崎宏美さんがリズミカルに歌い出すと、あの方々も張り切り出しました。はい、岩崎宏美親衛隊のみなさんです。

宏美さんご本人を見るつもりで来たのに、あまりに素晴らしく統率が取れているので、思わずそちらに視線が行ってしまう。つい、先日の紅白に出た「全ラン連」を連想してしまいました。

それでも、あの金色のドレスで歌いきってくれた宏美さんは、確かにかっこよかったですよ。宏美さんと親衛隊を見比べながらで忙しかったけど、楽しかったです。

★てくてくやってきた裕美さん

岩崎宏美さんが歌い終わると、
「今出てきてよかったんだよね?」と
言いたげな感じでやってきたのが太田裕美さん。

これは素の性格なのか、それともそういう台本なのか、しかしすべて太田裕美さんの場合はかわいいなあ、と微笑ましくなるのでした。

そんな、ちょっと天然にも見える裕美さんが、スタンダードジャズの「Fly Me To The Moon」を伸びやかな声で歌ったとき、以前からずっと思っていましたが、やはり実力あるひとなんだと確信したと同時に感動しました。

顔や声のかわいらしさなどに騙されてはいけません。わたしは真知子さんのことばかり書いていますが、太田裕美さんの曲も、たぶん真知子さんの次ぐらいによく聴きます。でも、わたしの音域と合わないのかわかりませんが、歌ってみるとこれが、意外にも難しい。

意外と難しい曲たちを「どうってことないね~」とばかりにさらっと歌ってしまうのが、この太田裕美さんというひとだと、わたしは思っています。

次の曲に入る前に、東日本大震災の頃のお話をされていました。こう書くと、熱心なファンの方はわかるエピソードかもしれませんね。

――確かその人は当時高校生でしたか。このあたりの記憶があいまいで申し訳ありません。

真っ暗な中でもスマートフォンの画面だけは明るくて、太田裕美さんの動画を見ていて励まされたと言われた。そういう内容のお話をされてから、次の歌へ続いたかと思います。
「それがこの曲です。『九月の雨』」

こちらでも、胆振東部地震の際にはブラックアウトを経験しましたので、その頃のことを少し思い出しました。

★アロージャズさんと絡みまくりの真知子さん

岩崎宏美さん、太田裕美さんときたら当然次は真知子さんなのですが……
真知子さんは次から次といろいろなお話をされたので、どのタイミングでどの話をしたのか忘れるほど。そういうわけで、話の内容が前後しているかもしれません。

とにかく真知子さんは、アロージャズのみなさんと再会できて嬉しそうでしたね。特に、お誕生日が1日違い(10月24日生まれ)のメンバーさんには、ことさら積極的に話しかけていました。

たぶんこのタイミングではなかったでしょうが、アロージャズさんの話が出ているので書いておきますね。3月ですからとっくに放送されたと思いますが、NHKの朝ドラ「ブギウギ」にご出演されたメンバーさんがいらっしゃったとのこと。

朝ドラの話は真知子さんから出たのですが、
「ああいうドラマで、本物のミュージシャンを使うんですね~」
と驚いていましたよ。

1年ぐらい前からテレビを自由に見られる環境ではないので、確認できずに申し訳ありません。もしかしたら、後半の総集編で拝見できるかもしれませんね。

真知子さんと同じ歳の方は、本来担当している楽器のほかにピアニストの役もされたとのことで、
「ピアニストならわりと(けっこう?)映ってるんじゃないの」
そんな感じで言われていましたね。本当に仲がよく、微笑ましかったです。

★地下でおさんぽ

そういえば真知子さんは、わんちゃんたちとのお散歩が日課なのですが、当日の朝も歩いたそうです。

「雪が積もってるし滑ると困るので、どうしようかと思ったら、こちらには地下街があるんですよね」

ポールタウンやオーロラタウンのある「さっぽろ地下街」のほうをお散歩されたようです。真知子さんのブログにも書いてありましたね。

当日の午前中はススキノの地下街を歩いてランチ

海からのメッセージ -渡辺真知子公式ブログ-(2024/1/17)より

1月17日の朝に歩いていたそうなので、もしかしたらすれ違った方もいるのではないでしょうか。そういや地下で似ている人が歩いていたなぁ、と思った方。だとしたらそれ、真知子さん本人だったのかも。

★「もし・・・」

途中で、箱に入っている紙を引き、それに書かれている質問に答えるコーナーがありました。ほんとうは2問あったのですが、情報量が多くて1問分しか書き留められず、くやしいなあ。

録音や撮影がNGでしたので、あとから聞き直せないのは痛いですが、だからこそ集中できたのかもしれません。

紙に書かれていたのはこの質問。
「もし、歌手にならなかったら、何をしていましたか?」

★歌手じゃなければ①太田裕美さん

太田裕美さんは、
主婦になっていたと思う」
とのこと。

「主婦だったら今できてるし、ほかにできることないんですよね」
こんな感じで、ずいぶん謙遜されていました。そういえば、以前なにかの料理番組に出ていたときの動画がありましたね。

内山アナ「得意な(最近作った、かもしれないです)料理は……?」
裕美さん「キャベツと豚バラの酒蒸し

おいしそうですね。ミルフィーユ鍋みたいに、キャベツと豚バラを交互に重ねて酒蒸しにする……というような作り方だったと思います。

★歌手じゃなければ②岩崎宏美さん

岩崎宏美さんが歌手じゃなかったら……?
これはまったく想像できなかったのですが、ご本人曰く
清掃業をしていたと思う」
だそうです。な、なぜ……

そう思っていると、真知子さんから声が飛んできました。
「たえず話しながら、何かいじってるんですよね」
宏美さんが言うには、
「引き出しの中とか整頓してるの」
とのこと。

それで内山アナがこう尋ねると、
「じゃあ、おうちはキレイなんですね」
「でもわたしB型だから、波があるけど」
と笑っていました。

さて、真知子さんは歌手じゃなければ何をしていたのでしょう?

★歌手じゃなければ③渡辺真知子さん

――昔の雑誌や音楽番組では「幼稚園の先生」だったよなぁ。
と思いながら、なんて言うのか見ていたのですが。

ちなみに「海と愛」には
「歌手にならなかったら、デザインやレタリングを仕事にしていたかもしれませんね」とも書いてありました(p.52)

確かに真知子さん、昔から字もきれいだし、かわいいイラスト描きますよね。

それで、尋ねられた真知子さんが、
「わたしにソレ聞くんですか!?」
「どこを切っても歌しかないのに?!」

こんな調子でなかなか答えずにいると、横で聞いていた岩崎宏美さんにこう言われていました。
「犬のブリーダーがいいんじゃない?」

なるほど……真知子さんのラジオ「現在・過去・未来」を聞いていた方や、2023年8月21日に放送された「徹子の部屋」を見た方はご存じかと思いますが、専用テーブルを買ってトリミングしてますもんね。

気持ちよさそうな顔で真知子さんにゆだねきっているわんちゃんを見ていると、案外ハマっているかもしれませんね?どちらかといえば、トリマーという感じもしますが、トリミングもできるブリーダーなら最強ですよね。

納得していると、さらに宏美さんがこんな感じで突っ込んできました。
「丸っこいでかいの2匹も連れて歩いてるんですよ」
「チワワって普通3kgぐらいだと思うんですけど、5kgはあるんじゃないですか」

さすが気心の知れた間柄というか、容赦ありません。申し訳ないと思いつつ、笑ってしまいました。そういえば結局、真知子さんご自身からは「歌手じゃなければ」の答えはないままでしたね。

★曲の合間に(第2部)

最後に、第2部の曲に関するお話や感想を、覚えている限りで書いておきますね。

なお、コンサートのお話に、多少こちらで調べた情報や過去のラジオ番組で聞いた内容などを補足しています。

★この曲に恋してしまった

第2部は前回書いたとおりに真知子さんから始まったのですが、すぐ「かもめが翔んだ日」に入ったので、この曲に関するエピソードはなかったように思います。

次は「Mi Tierra Natal~私のふるさと~」という、ラジオ「現在・過去・未来」のエンディングテーマにもなっていた曲。

ラジオ番組でも説明されていましたが、もともとは「熱帯Jazz楽団」さんのホーン向けに作られた楽曲でインストゥルメンタルだったにもかかわらず、
真知子さんが「この曲に恋してしまいまして」
どうしても歌いたくてたまらずに詞をつけた、というお話をしていました。

3曲目は、やはりきました「唇よ、熱く君を語れ」です。フォーラムだったらオールスタンディングで盛り上がるので、眺め回して
――誰か立たないかな~?

と様子をうかがっていたのですが、みなさん座っていたのと、次の展開がどうなるかわからないこともあり、立つのは諦めました。その分、真知子ファンの端くれとして、いつものリズムではりきって手拍子をしておきました。

★統率取れてるなぁ~

もう、ただただ感心しました。岩崎宏美親衛隊。
「ロマンス」のときに、ちゃんと両端の人たちと真ん中の人たちが互い違いになるようにペンライトを振っているのと、手拍子の特殊なパターンを把握して、みごとな連帯感を見せていました。

――へぇ~、そこでそうやるんだ~!
わたしがいた位置は眺めがよかったので、思わずのめり込んで見てしまいましたね。

岩崎宏美さんも曲が終わると親衛隊さんたちに、
「けっこう注目されてるから、きみたち」
みたいな感じで話しかけていました。

次の「太陽が笑ってる」を歌う前に、池間史規(いけま・ふみき)さんの遺作になってしまったとお話されていましたが、詳しく存じませんでしたので、今回少し補足しておきます。

池間さんは2019年の暮れに岩崎宏美さんの45周年記念曲として、この曲を書き上げたのですが、その後まもなく、まだ60歳という若さで急逝されたとのこと。

「彼が遺したこの曲を、これからも大切に歌っていきたいと思います」
宏美さんは、そう話していました。

最後の「聖母たちのララバイ」では、宏美さんの歌もさることながら、アロージャズのみなさんが奏でる、押し寄せる音の圧力に息が止まりそうでした。さすが、これぞオーケストラ、という迫力。管楽器が一斉に鳴り響いてキレイに決まる。見事だな、このキレの良さ。

みなさんの勇姿を目に焼きつけておこう。絶対忘れたくないな。そんな感じで食らいつくように見ていました。

★STVラジオって・・・

それにしても太田裕美さんは、いいキャラクターだと思います。
なんというか、
「うん、太田裕美さんなら許せるな」
という雰囲気を持っていますよね。

曲の順序は変わるのですが「さらばシベリア鉄道」の前にMCがあり、おそらく裕美さんも気を遣われたのだと思います。STVの内山アナにこう言ったわけです。

「この曲が出たとき、北海道のFMにたくさんリクエストが届いたそうで」

吹き出しそうになりましたね、というより、吹き出したかもしれません。
内山アナも慌てていました。
STVラジオはAMで……」

このエピソードだけだとちょっと太田裕美さんに申し訳ないので、簡単ですが、今回のコンサートで曲を聴いた感想を。

代名詞ともいえる1曲目の「木綿のハンカチーフ」は、生で聴くとやはりよかったです。でもそれ以上に、2曲目の「桜月夜」を初めて聴きましたが、その年代のご自分の声に合うムリのない音作りと、気負わない歌い方ができるひとなんだなと思いました。

3曲目の「さらばシベリア鉄道」では、アロージャズさんの演奏が特に凄まじくて、まさに「息をのむ」というか、息が止まりそうな衝撃を受けました。

今回、太田裕美さんと岩崎宏美さんの曲を聴いているときに、何度かこういった、息の止まりそうな状態になったのですが、真知子さんのときはなかったですね。秋のフォーラムや毎週聞いていたラジオで鍛えられたのでしょうか。

太田裕美さんと岩崎宏美さんのときは、アロージャズさんの演奏の迫力と、ご本人たちを初めて前にしたことで、とにかく圧倒されてしまったんですよね。

ただ、条件が同じだったら
――真知子さんのコンサートに行ったことがなかったら――
破壊力は真知子さんが一番強いと思いますので、おそらく「圧倒」されるどころか「卒倒」したことでしょうね。ああ、慣れておいてよかった(?)

ほんとうに、とても贅沢ですばらしいコンサートだったので、せめて曲の部分だけでもCD化していただければ嬉しいのですが。音源は残っていないのでしょうかね。でも、それをいってしまうと他のジョイントコンサートもCDにしてくれという話になって、困るんだろうなあ。


多忙だったために後半部分が大変遅くなってしまいましたが、
「輝け!昭和50年代歌謡祭~時代を彩る歌姫たち~」のレポート②、やっと書き終わりました。これからも真知子さんはもちろん、太田裕美さんも、岩崎宏美さんも応援してまいります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?