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SXSW2017 | スタートアップのサービスから見る3つのキーワード「透明性」「可動性」「複合性」

2017年のSXSWにも沢山のスタートアップが登場しました。
今回は3つのスタートアップから、時代のキーワードを考えていきたいと思います。

①透明性:信頼のない(=不透明なもの)は排除されていく

C-Note」|透明性のある預金&社会的投資を実現するFintechサービス
預金したお金が100%社会貢献への投資として運用されながら、2.5%という高金利を実現する新たなフィンテックサービスです。女性二人がファウンダーとなっています。
資金の運用はコミュニティファンドと呼ばれる地域の中小企業やNPO団体への社会的投資ファンドが行います。
モノを購入したり・イベントに参加することで社会貢献につながることは多かったですが、それをファイナンスで実現したいというメッセージを発しています。
2017年から始まったSXSW Super Acceleratorで最優秀賞を受賞。Woman in Tech、ソーシャルインパクトと顧客の満足、そして持続可能な事業性という4つが両立する、SXSWのセッションでも例年議論されてきた「これからのあるべきビジネスの形」として評価されました。
確かに、自分が預けたお金が銀行にどう運用されているかはあまり知る機会がありません。これからは透明性のあるものが標準になり、不透明なものはどんどん排除されていく流れになってくると考えています。

②可動性:動かせるもの、固定しないものが愛される

KASITA|家の概念を変える、可動式のスマートホーム
固定した場所にとらわれない、移動ができる新たな住まいを提供。
2年前からSXSWやSXSW ECOで試作を発表しアワードでも受賞してきた同社ですが、SXSW2017では内覧会も行い、製品の受注を開始。支援者を集めたパーティも行われました。KASITAの中では音声エージェントAlexsaとつながり、照明などコントロールが可能です。

もともと「アプリのボタン一つで引っ越しができる」という未来像を描いていた彼らですが、様々なピボッドを重ねながらも、可動なコンパクトな家というスタンスは変えていないようです。
これからはこのような「動かせるもの=可動性のあるもの」が愛されていく柔軟な世界になっていくのではないでしょうか。

③複合性:ユーザー体験はデジタルとアナログの融合に

Thimble.io | 毎月定額制で送られてくる工作を学べる電子キット
毎月定額制で送られてくる簡単に工作を学べる電子キット。オンラインのコミュニティサイトを使ってSTEAM(理系芸術系)学習をします。
STEAM教育系のサービスは、SXSWでは毎年議論され、非常に注目されていることが勝機となりました。

自宅にプロ仕様の食材とレシピが定期的に届く定額制の料理サービス”Blue Apron”をはじめ、リアルなモノが自宅に届き、オンラインコミュニティで学び合う、ネットとリアルをかけあわせたサービスがアメリカでは定着し、広がりつつあります。
このように、ネットとリアルを掛け合わせたサービスが今後は愛されていくでしょう。ディスプレイの中だけに閉じるのではない、アナログの価値をどう引き出していけるかが、2017年のSXSWでは注目されていました。

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