ジムとベラ

ジムとベラ

最近の記事

謙虚と感謝

前から望んでいたことだった。 だから、すぐにYESと言った。 今でもその選択は間違いとは思っていない。 ただ、 こんなに心が苦しくなるなんて思ってもみなかった。 例えば友達がずっと一途に片想いしてた人に、 やっと思いが通じて恋人になったのに、 彼女は、自分からその恋を壊してしまった。 あの時の感じに似てる。 私ははたから、かなり客観的に見れていたと思うのだが、 彼女は、彼が自分と付き合っていることを、 お情けだとか、きっと誰でも良かったのだとか、 好きな人に振られてやけ

    • 彼が結婚するらしい。 それを聞いて、ショックを受けている。 私の人生には要らない人だと切り捨てたにも関わらず、誰かと人生を歩むと知ると、、 聞いた日の夜、久しぶりに夢を見た。 知らない女性がウエディングドレスを着て 笑っていた。 女性は2人いて、どちらも少しぽっちゃりしていて、人の良さそうな雰囲気だった。 私はどちらが彼の嫁なんだろう? と見定めていた。 結婚はタイミングだとよく言われるが、 全くその通りだと思う。 どんなに大好きな食べ物が目の前にあっても、 お腹が吐

      • 彼のパスポート

        何気なく見た彼のパスポート。 知らない国のスタンプがあった。 その国を知らないのではなく、 彼がそこに行ったことを知らなかっただけ。 そう言えば、 友人と一緒に行く旅行の手配をしてた私、 2人分のチケット予約のために、 友人のパスポートを少しだけチェックする必要があったのだけど。 いつもなら気軽に渡してくれてたそれを、 彼女は意味もなく拒んだ。 何の情報が必要なの? その部分を教えるから、と。 おめでたい私は、疑いもせずに ここのページを、、なんて言って、 最近は

        • クリスマスは苦手だ

          若い頃のこの特別な日は、恋人と過ごすべきだといつの間にか刷り込まれていた。 あの年のクリスマスイブ、 制服から華やかなワンピースに着替えて、 ビルの裏で彼の車を待つ。 1時間近く遅れて来た彼だけど、 待つのは慣れている。 いそいそと助手席に乗り込む、同僚に見られてないだろうか、見られても平気なんだけど。 高速道路を飛ばして、出来て間もないレストランで食事をして、それから、、 仕事があるから、と家まで送られた。 こんな特別な夜になんてこと?! きっと私は彼を責めただろう、

          浮気

          私は彼を心から愛していたし、全部受け止められると思っていた。 思っていたが、無理だった。 彼の浮気、というのか。 敏感な私にはすぐにわかる。人妻と会っていること、スナックのママにいい顔をしてること、 真剣な付き合いではなさそうな相手ばかりだったけど、相当に傷付いた。 若い私は、小賢しくも、気付いていることを彼にアピールしていた。わかっているのよ!とばかりに、証拠を突き付けた。 彼は、言い訳したんだだったろうか、、 虚な眼しか思い出せない。 あんなに忙しい仕事の中で、

          特徴的なナンバーで、彼の車だと勝手に思い込み、それからの回想が堪らなくて、書いて吐き出したいと思った。 付き合い始めて間もない頃、 忙しい仕事の合間を縫って、 山の中の鯉料理のお店に連れて行ってくれた。 個室のお座敷に通され、はしゃぐ私、 疲れた顔ですぐにでも横になりたい顔した彼。 給仕してくれた仲居さんが、 「奥さんですか?」と普通に彼に言うと、 彼は、 「いや、、まだ」 と言ったのだ。あの時、、 私は、その言葉にうっとりした。彼は私の最後の人だと疑ってもみな

          過ぎてみてわかること

          高速バスに乗っていたら、覚えやすい車のナンバーを見掛けた。 確か、あのナンバーは、、、 車種までわからなかったけれど、すごいスピードでバスを追い越して、すぐに見えなくなったあの車は、 きっと彼の車に違いない。 運転席を確かめたい、と数分間思っていたけれど、すぐにスマホの画面に視線を戻した。 ずっと前、昔々のあの時、 彼と付き合っていた時、 お休みの日に少しだけ会って、食事も誘われずに彼は何処かに行ってしまった。 私はすることもなくて自分の車でその辺を流していると、彼の

          過ぎてみてわかること