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「好き」な音が聞こえる。

4月から小学生になる息子。
バスケットボールのチームに入るらしい。

きっかけは至ってミーハーで、昨年のワールドカップをテレビで観ていたこと。

私→「藤井風の新曲がテーマソングになってるから観とくか」
夫→「俺はずっとサッカーやってたけど本当はバスケがやりたかった(サッカー辞めたいって言えなかった)」
娘たち→「えーーーyoutube観たいのに観れないじゃん」
息子→「バスケ?スポーツならなんでも観るよ!」

と、動機と反応は本当にさまざまだった。
で、何試合か観た結果⋯

私→「なにこれオモロ!すご!やば!かっこよ!!(語彙力)」
夫→「やっぱりサッカーよりバスケの方が全然おもろいやん(泣)」
娘たち→「ホーキンソンかわいい〜♡」
息子→「⋯⋯!!!!(言葉にならない)」

たまたま隣の市には新しいバスケットボール専用アリーナができて、Bリーグのチームもあるのに、全く感知していなかった。
なんてもったいないんだ!!見にいくしかない!!!

それからプロの試合を何回か観た。
そして、なんとなくやっすいバスケットボールを買った。
するとバスケットボールというものを知った息子と、バスケットボールをやりたかった44歳が、一緒にバスケの練習をし始めた。
そして「バスケットゴールが欲しい」と言い始めて、あんなにデカくて重たいものを、クリスマスにサンタさんはしっかり持ってきてくれた(笑)

そこからの息子の進化は目覚ましい。
もちろん最初はボールをドリブルすることだってできなくて、シュートしたってゴールになんて全然届かないし、入らない。
しかし自称スポーツ万能の44歳にコツを教えてもらい、練習していたらいつの間にか「え、そんなできるようになったの!!??」と驚くほど上達していた。

さらに息子の探究心は止まらず、YoutubeでNBAやBリーグの試合を自分で検索して観るようになった。
「ほれっ」と大人が読む選手名鑑を与えておいたら、自分で調べてチームや選手の名前、なぜか身長も覚え始めた。
ひと通り観たら、「ちょっと外行ってくる」と言ってボールに触る。
家の中でもボールに触る。
出かける時もボールを持ち歩く。
家の中でもドリブルしているので、姉たちからは「マジでうるさいやめろ」とブーイングをくらっているが、彼の気持ちは萎えることがない。


そんなこんなで、小学生に入る前にいくつかチームを見ておきたいなと、バスケに詳しいお友達に色々聞きながら何チームか見学・体験させてもらった。
最初は「えーー私スポ根皆無だし、週4・5で送迎とかマジで無理⋯長女・次女の習い事もあるのにどうすんねん⋯親との付き合いも面倒くさーー」と思いながら、渋々。

しかし練習に参加させてもらうたびに、良い意味で予想を裏切られた。
普段人見知りへっぽこ末っ子長男の息子が、スポーツを介すると全く物怖じしなくなるのだ。
一人も知り合いがいない初めてのチームの中にも入っていって、見よう見まねで練習に参加し、試合形式の練習にも出させてもらって、自分の倍くらいある子の前に立ってディフェンスしようとしたり、もらったボールをドリブルしてシュートをしたり、最後まで走っていて、「あれ?なんかちゃんとバスケやってんな?」と。

もちろん独学で楽しくやってきただけの6歳児なので、技術や知識に関してはゼロに等しいのだが、それでも監督やコーチからは毎回褒められる息子。
「今までどこかでバスケやってましたか?」
→「やってません、親もきょうだいも誰もやってないです⋯」
「普通あの歳であそこまでできないんですどね、おかしいな⋯」
→「家でずーーーっとボールいじってるんです⋯」
「いやぁ、本当に好きなんですね。大したもんですよ!」
→「好きだと思います。好きなんですよね、ほんと」

そんなやりとりをして、最後に「ちゃんと挨拶してきなさい」と息子に言うと、モジモジモジモジ⋯。
やっぱりそこはいつもの息子なのである。
でもいつも2〜3時間練習に参加させてもらって、「楽しかった!!!」といい顔をする息子。

もうこれは腹を括るしかあるまい。
スポ根送迎云々言っている場合じゃない。
こんなに好きで、楽しくて、頑張りたい気持ちがあるんだ。
誰にも止める権利はないし、この歳でそんなことが見つかるなんて羨ましいじゃないか。

そしてもうひとついつも感動するのが、チームにいる年上の子達が本当にみんな優しいこと。
ちゃんと教えてくれて、手加減してくれて、面倒見てくれて、なんと良いスピリットなのかと感心する(しかも大体イケメン)。
「これが私には縁のなかったスポーツマンシップというやつか⋯」と、筋金入りの帰宅部だった私は毎回心打たれるのだった。
息子にはぜひともあんなお兄さんになってほしい。

これから始まる小学校との両立はきっと予想以上に大変だろう。
しかし息子に「なんでそんなにバスケがいいの?」と聞いたら、
「おと。バスケをしているときの音がきもちいいから」と答えた。
その時、バスケの時間が楽しみな小学生ライフになるのだろうと確信した。

「好き」という気持ちに勝るものはない。

大人になると体裁や邪念や常識という雑音にかき消されがちな大切なことに
改めて気付かされる。

色々考えて「好き」なんじゃない。
五感で感じる「好き」は、きっと最強だ。

チームそれぞれに特徴や魅力があって、決めるのはなかなか難しい。
しかし最終的には息子がどこでやるのが楽しいか、どこで頑張りたいかだと思っている。

果たして、息子の行く末やいかに。

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