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明示は義務!違反は罰金も…労働条件通知書の解説

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従業員に対する労働条件通知書の明示は会社の義務

正社員、アルバイとなど就業形態に関わらず労働条件通知書は明示の義務が有ります。この動画を配信後、一度も見せてもらったことが無いというコメントが多数寄せられました。

会社側の言い分としては、残業代などの支払い抑制や権利ばかり主張する従業員に対する防衛措置として行っている場合もありますが、そもそも明示が義務だと知らなかったということも有ります。

特に労働者の権利保護について厳しくなっている昨今では、労働者側から労働基準監督署への訴えが多くなり、企業経営においてリスクがお大きくなっております。

労働条件通知書に記載する事項

労働条件通知書に明示すべき事項は労働基準法施行規則第5条第1項に規定されており…(以下、厚生労働省HPから抜粋)

(1)労働契約の期間に関する事項
(2)就業の場所及び従業すべき業務に関する事項
(3)始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時点転換に関する事項
(4)賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く。)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
(5)退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
(6)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに退職手当の支払いの時期に関する事項
(7)臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及びこれらに準ずる賃金並びに最低賃金額に関する事項
(8)労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
(9)安全及び衛生に関する事項
(10)職業訓練に関する事項
(11)災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
(12)表彰及び制裁に関する事項
(13)休職に関する事項

上記について明示しなければなりません。また、これらの内(1)から(5)((4)の内、昇給に関する事項を除く。)については書面の交付により明示しなければなりません。

雇用契約書とは別のもの

労働条件通知書は法律で定められた事項を労働者に明示するものであり、明示は必ずしなければなりません。それに対し雇用契約書の締結は義務ではありません。

雇用契約書は労働条件通知書の内容に加えて、通知書には書かない事項を会社と従業員の間での取り決めを記載します。例えば業務上で知り得た情報の守秘義務や会社独自の福利厚生なども雇用契約書に記載することが多いです。また、契約なので会社・労働者との間で合意が必要で、その合意を署名押印、記名押印等で証明します。実務上は、労働条件通知書の他に雇用契約書を交わす事業場もありますが、雇用契約書の内容に上記の労働条件通 知書の内容も盛り込む方法もあります。(一つですむため)
言った言わないのトラブル回避のためにも、採用時に雇用契約書の締結も行うことをお勧めします。

明示しなかった場合の罰則

労働契約の締結時に明示を怠ったり、労働者が希望していないにもかかわらず、電子メール等のみで明示したりすることは、労働基準関係法令の違反となります。最高で30万円以下の罰⾦となる場合があります。


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