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土づくりの基本②(農業)

前回は土づくりの流れのお話と第1ステップの「堆肥の投入」のお話をいたしました。
今回は第2ステップの「石灰資材を投入する」と第3ステップの「元肥を投入する」についてお話いたします。

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<石灰資材を投入する>
多くの野菜は強い酸性土壌では生育が悪くなりますが、中にはアルカリ性に傾くと病気が出やすくなるじゃがいものような野菜もあります。生育に適した pH は野菜ごとに異なるのでやみくもに石灰資材をと入れるのではなく、畑の pH を測定し、必要に応じてpH調整をするようにしてください。 石灰資材にはいろいろ種類がありますが、使いやすいのは苦土石灰です。比較的ゆっくり効果が現れるので障害が起きにくい上に確実な効果が得られます。また野菜の生育に欠かせない苦土(マグネシウム)の補給にも繋がります。苦土(マグネシウム)は葉緑素(クロロフィル)の中心になる重要な元素で、マグネシウムが十分にあると光合成がしっかりとされます。逆に不足していると葉は黄化して光合成能力が下がってしまいます。(詳しくは下記の記事に書いていますので参考にしてください)

石灰資材と堆肥を同時に施すと化学反応によって堆肥に含まれる窒素がアンモニアガスとなって逃げてしまいます。そのため1週間以上空けて施用するようにしましょう。どの程度の石灰を施せばよいかは土の種類や状態によっても変わってきます。 空気や水に触れるとセメントのように固まってしまうので、施したらすぐによく耕して土に馴染ませましょう。なお石灰の塊は肥料焼けの原因にもなるので良く耕すことが大事です。石灰資材が土となじみ pH 調整の効果が表れるまでには1週間から10日程度が必要です。作付けはそれ以降に行います。

<元肥を投入する>
元肥は作付けに先立って施す肥料です。栽培期間中に必要となる肥料の量は作物ごとに決まっています。これを元肥で一度に施してしまうと肥料焼けによって根が痛みます。さらに吸収できなかった分が流れ出して無駄になるだけでなく地下水などを汚染する可能性もあります。そこで全必要量の一部を元肥として施し、残りを数回に分けて追肥として施します。ただし小松菜・ほうれん草など葉物野菜は栽培期間が短く必要とする資料の量も少ないので元肥だけで育てるのが一般的です

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元肥を施す時期は石灰資材の投入から1週間以上 期間をあけて行います。化学肥料の場合は作付けの1週間ほど前、有機質肥料の場合はだいたい2~3週間ほど前が適切です。 施し方には「溝施肥」と「全面施肥」があり、それぞれ向いている野菜があるので使い分けましょう。

出典:スパイシーな菜園(https://spicy-garden.com/20160406/

植物の肥料の3大要素のうち窒素とカリは全必要量の半分を元肥で施します。リン酸は土の中で浸透しにくいため 追肥で土の表面に施しても根が張っている地中まで行きません。そのため全量を元肥で施します。この原則に従って施肥を行うには単肥を組み合わせて使うと便利です。
家庭菜園ではよく使われる N・P・K =8・8・8 などの3大要素が等量の化成肥料の場合はリン酸の全量を元肥で施そうとすると窒素とカリが過剰になります。窒素の量に合わせて施肥量を決め、不足するリン酸は過リン酸石灰で補うのがよいです。 有機質肥料を使う場合は使用する肥料ごとに含まれる成分と成分割合が異なるので細かい計算が必要となります。


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TEL 080-3396-5399
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