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ボカシ肥料は万能か? ミネラル補給!(農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。うだるような暑さの中ですね。暑すぎると植物の生育にはよくないのですが、なんだかんだといって夏場は植物の生長は早いです。ドンドン成長していきますし、雑草も含めてにぎやかです。生長が早いということは植物が土からドンドン養分を吸い上げているということですよね。そこで今日は肥料の話をしたいと思います。

窒素分の多い有機物、例えば 「油かす」や「米ぬか」、「魚かす」などを発酵させた肥料が「ボカシ肥料」です。有機栽培をやってる人は ボカシ肥料は万能でボカシ肥料さえしっかりと施していれば野菜はできると思い込んでることが意外に多いようです。

ボカシ肥料っていい匂いがするし材料も栄養がありそうで、名前も変わった名前だし効きそうな気がするんですよね~。

しかし はじめのうちこそボカシ肥料だけで順調に育っていても 、4~5年経ってくると病気や害虫が増加し、収穫量が減って野菜の品質も落ちてきます。
原因としては ミネラルの過不足、 ボカシ肥料の発酵不足、堆肥の質と量の 不適などが挙げられますが、最も多いのが ミネラル、特に苦土(マグネシウム,Mg)の不足です。

マグネシウムは植物の命の源 と言っていいくらい重要なものです。光合成を行う 葉緑素 (クロロフィル)の構造の中心にはマグネシウムがあります。 つまりマグネシウムがないと葉緑素が作れないので光合成も行うことができず 植物は生きていけなくなります。

クロロフィルの構造 (wikiより)

他のミネラルも同様で品質の良い作物を多く収穫すれば、土中に蓄えられていたミネラルが吸収されて減っていきます。それを補ってやらないと光合成などが十分に行われなくなって野菜の収穫量、品質が悪くなってくるというのは考えてみれば当たり前のことです。
ボカシ肥料が万能との思い込みをされている方は、ミネラルは土の中にあるし、ボカシ肥料にも含まれているので有機栽培では ことさら 施さなくても大丈夫だと考えていることが多いようです。

しかしこれは土に対する過信と言っていいでしょう。ボカシ肥料を施すと根の張りが良くなり、根から分泌される 根酸も多くなります。

すると土中のミネラルがどんどん吸収されて、予想以上に早くミネラル不足の現象が出てきます。土中のミネラルがなくなったら 補給してやらなければならないし 養分に不足が生じたら きちんと対応することが必要です。

ただし 過剰になっても害があるので 施す時には注意しましょう。

【問い合わせ】
TEL 080-3396-5399
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