見出し画像

ブランドと単なる名前の違いは? (農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。各地で様々な農産物ブランド化プロジェクトが取り組まれていますが、必ずしもうまくいっているとは言えません。ブランド化とは農産物に単に名前を付けたり、かわいらしいパッケージを作ったり、ロゴを作ったりすることではありません。
各地で取り組まれているブランド化プロジェクトの農産物や加工品が現時点でブランドかそれとも単なる名前かを判断する方法があります。
 
名前の後ろに “らしさ”という言葉をつける
買い手であるお客様の多くが「〇〇らしさ」をとして肯定的に表現することができれば、それは「ブランドである」ということができます。
よく言われる例としては地域のブランドで、例えば 「京都」「北海道」「埼玉」「栃木」を見てみます。いずれの地域にも様々な地域資源がありますがブランド力には大きな違いがあります。京都らしさ、北海道らしさ、埼玉らしさ、栃木らしさでそれぞれの肯定的な「らしさ」を表現してみてください。京都らしさと聞くと多くの人は「歴史」「伝統」など 具体的な言葉で表現ができます。北海道らしさは「大自然」「食」「雄大」と言った言葉が出てきます。 京都・北海道は単なる地名を超えたブランドであるということができます。では埼玉 らしさ、栃木らしさはどうでしょうか? 多くの人が言葉が詰まってしまうと思います。

「らしさ」をつけることで表現がでてくるということは、つまり頭の中にイメージが湧いているということです。京都と聞くと寺社仏閣、歴史的な街並みのイメージが浮かんできたりします。 北海道と聞くと大自然・広大な風景のイメージが浮かんでくると思います。
一方、埼玉、栃木については浮かんでくるイメージはどんなものでしょうか?そもそもイメージが浮かんでこないという人の方が多いのではないでしょうか?イメージが浮かばなければ、人に優先的に選ばれません。
Googleなど検索エンジンで北海道、京都、栃木、埼玉の各々を画像検索しても同じような結果が出てきます。

北海道や京都ではその土地の代表的な観光スポットやイメージに合った画像がたくさん出てきますが、栃木、埼玉では地図ばかりが画像検索すると出てきます。つまり京都、北海道は単なる「地名(名前)」を超えた「ブランド」ということができると思います。一方、埼玉、栃木を画像検索すると地図ばかりということは、埼玉、栃木はブランドというよりも地名(名前)ということだといえます。

このようにその名前を聞いたときに肯定的なイメージだわいたり、肯定的な表現が出てくるものはブランドということができますし、名前を聞いてもなにもイメージが湧かない、連想されないということは単なる名前ということができます。

農産物のブランド化に成功している事例としてよく言われるのはいちごの「博多あまおう」やマンゴーの「太陽のたまご」などが挙げられます。

どちらも長年に渡る農家さんの努力や、強力なバックアップがあって成功につながっています。しかし一般農家の方が同じようなブランドを目指すのは難しいと思います。一般の農家の方が作り上げていくべきブランドはそのような高級ブランドではなく、安心感、信頼感があり、おいしくて生産者の顔が見えるブランドだと思います。

生産者の顔が見えるというのは先の例で行くとブランド名を聞いたら生産者の顔や人柄、栽培へのこだわりなどイメージが浮かんでくることをにあたります。

このような「ブランドを確立している農家=愛されている農家」ということができると思います。

【問い合わせ】
TEL 080-3396-5399
MAIL t.ogawa19720117@gmail.com


【関連記事】--------------------------------------------------------------------

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?