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栽培での水分の働き(農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。過去に何度か記事で植物の栽培での水分の重要性を書いてきました。過去に書いたものとダブるところはご容赦いただいて、今回はできるだけやさしく栽培での水分の働きについて書いていきたいと思います。

〇植物の80~90%は水分!
野菜はほとんどができていると言っても過言ではありません。完全に乾燥させると質量は元のわずか10~20%程度になります。つまり80%以上は水分なのです。水が不足するとはや茎が萎れることからもわかるように、野菜をはじめとした植物は細胞内に水が満ちて内側から圧力を加えることで張りと硬さを維持しています。しっかりと水分あるから植物はピンと立っていられるんですね!
また 植物の生命活動において重要な光合成にも水を不可欠です。

植物は葉の葉緑体に光エネルギーを受けて空気中の二酸化炭素(CO2)と水(H2O)から炭水化物を合成します。その際に放出される酸素(O2)は水を分解する過程で生じるものです。

植物の成長に必要なたんぱく質や酵素などは光合成でできた炭水化物をエネルギー源として作られます。
その工程で必要な窒素やリンなどの栄養分を根から吸収し、全身に行き渡る を取らせる媒体となるのも やはり水です。体内で行われる代謝をスムーズにする働きを担っています。植物体内の水は主に葉の裏側から大気中に水蒸気として放出され(蒸散)、人間の汗のように植物の体を適温に保ちます。蒸散は気温の高い夏の日中は特に盛んに行われるため、他の季節にも増して水が求められます。
植物の葉には気孔と呼ばれる無数の穴があります。酸素、二酸化炭素、水蒸気などが出入りする穴で、植物体内の水の移動は気孔の働きと密接な関係があります。通常、気孔は日中に開いて二酸化炭素を取り込みます。葉に光が当たると光合成が始まり 水が必要となります。気孔が開いて蒸散が行われ、 水蒸気が放出されると放出された分が根から吸水されます。吸収された水は一部が体内に蓄えます。蓄えられ大部分は導管を通って葉まで送られます。

気孔

給水→体内水分→蒸散という植物の生命活動を通じて畑の水は循環しています。一般に葉の表面積が大きい植物ほど蒸散量も多く水を吸う力も強いため、成長に多くの水を必要とします。きゅうりや茄子はその典型です。

きゅうり

植物の根は養分や水分を効率よく吸収するために、表面に根毛と呼ばれる 細い糸状の突起を発生させて表面積を増やしています。

根毛

根毛は根の表面積 1 ㎠ あたり 2万本以上あると言われ、養分や水分は主にこの根毛から吸収します。根が水分を吸収する仕組みを2つあり 一つは蒸散による吸い上げ、もう一つは 浸透圧による吸水です。後者を根圧といい、健全な土壌では植物はこれを利用して水を取り込むことができます。ただし肥料の過剰作用などにより土中の 溶液濃度が高くなりすぎると浸透圧が逆に働き、水分を奪われて根が痛みます。これが 濃度障害(肥料焼け)です。


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