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農業の財務状態を見る

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。先日、日本農業新聞で農業と他の産業との財務状態比較の記事がありましたので紹介します。
農業は儲からない、農業は個人経営が多く資本力がないとよく言われます。実態はどうなのかを数字で把握することは大切だと思っています。
下記の表は日本農業新聞に掲載されていたものです。

農業については日本政策金融公庫のデータをもとに農業を生産しているもので区分し、あわせて法人企業統計のデータをもとに作成した他の産業の中規模企業の財務データと比較しています。

内容を見ていくと、損益分岐点比率は、農業分野は他の産業と比較して全体的に高く(高いのは良くない)、借入金依存度も他の産業より高いことが見て取れます。自己資本比率も農業分野は全体的に低くなっており、これらの数字を総じてみていくと、農業分野は経営規模が小さいにもかかわらず、設備投資などが大きいため借入依存度が高くなり、加えて農業は事業の収益規模が小さいので、投資額に対する収益額レベルが見合っていないということができると思います。特に施設野菜では農業ハウスの建設やハウス内の様々な設備に多額のお金がかかりますが、その金額がかなり大きいので、ハウス栽培で収量を増やせたとしても、投資額に見合っていない状況が著しいということができると思います。
自己資本比率がマイナスという状態になっているのは、いわゆる債務超過なので経営的には相当追い込まれた状態にあるということができます。
 
やはり農業経営のポイントとしてはできるだけ設備投資を抑えるということが大事だと思います。設備投資をする際には、事業遂行上、必要な設備投資はしなければいけませんが、本当に必要かどうかを徹底的に吟味し、設備投資をすることで事業の収益性にどのようなメリットを見出せるかを数字で把握することだと思います。
 
今日は新聞に農業経営に関する厳しい情報がありましたので、それについて考察させていただきました。

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