見出し画像

ハウス栽培にはどのような農作物がよいか!

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。今日はハウス栽培の話をしたいと思います。ビニールなどの被覆資材で外部の環境から遮断することで自然環境の影響を減らし、ハウス内部を最適な環境にするハウス栽培は、露地栽培に比べて自然の環境の影響を受けにくく農作物を安定的に栽培することができます。

特にハウス栽培ではビニールなど被覆資材を張るだけで、寒さ対策(温度管理)にもなるとともに、雨風にさらされることや、鳥、害虫、病気などの被害も受けにくくなります。そのうえ、暖房機や換気扇、カーテン、ミストシステムなども入れれば、外部環境から遮断された本当に植物の生育に適した環境を作り出すことができます。

もちろん設備を導入するのでお金はかかりますが、安定収量・安定品質が確保されれば収入額もアップし、当初に設備に投資した費用を回収していくことができます。

それでは、ハウス栽培に適した農作物どのようなモノでしょうか?

農林水産省の統計データをもとに、ビニールハウス栽培で収益を得やすい作物を見ていきたいと思います。(少し古いデータにになりますが・・)
ハウス栽培における収益性の観点から見ていくと、下記の通りとなります。

●ミニトマトの収益性が高い!
このデータのよるともっとも農業所得が高かったのはミニトマトですね。

ミニトマトは、露地栽培の場合は5月頃に定植し、6月末頃から収穫を迎えます。しかし、多くのトマト農家は市場価格の優位性や気候を考慮して収穫時期をコントロールし、収量・品質を上げる必要があるためハウス栽培が多いです。

企業が農業参入する際にトマト栽培を選ぶのが多いのもトマトの高い収益性によるところが多いです。またハウスでトマト栽培をした場合、8月中旬に定植し、9月下旬ごろから収穫が始まり翌年6月末ごろまで収穫ができるので、収入のある期間が9~10カ月続くというのも農園経営を安定化するという観点からメリットになっています。

ミニトマトは比較的育てやすく収量も得られますが、収穫やパッキング作業などに時間も手間もかかる作物です。品種も多く形や色などバリエーションが多い上に栽培方法によって甘さなど味も変えられるため、一口にミニトマト栽培は収益が上がりやすいといってもやり方しだいということが多いように思います。

収益を上げる方法として、パッケージや商品名を工夫することで「ブランド化して付加価値を高める」という方法があります。上手にブランディングし販売方法を考えていくことで、販売価格を通常価格の1.5〜2倍ほどにもできるので、経営のセンスが問われる作物ともいえます。

●やっぱりイチゴも収益性が高い!
次に農業所得が高いのはイチゴです。

イチゴはみんなが大好きな農作物であるということは言うまでもありません。
特に日本のイチゴは甘みが強く食べやすいので国内だけでなく海外からも日本のイチゴは人気が高いです。

イチゴのハウス栽培は、トマト同様、収穫期間が長く9月下旬に定植し11月下旬から収穫が始まり翌年の5~6月ごろまで収穫ができます。
イチゴは本来の旬は4~6月ですが、ハウス栽培でいちご栽培をする醍醐味は超促成栽培ですね。栽培時期を早め、クリスマス時期などに収穫・出荷できればクリスマスケーキの需要などで高単価を狙うことも十分可能です。

こちらも設備投資は結構かかります。トマトの設備投資と比較してみると、ハウス自体は軒高をトマトほど高くする必要はないので比較的安いのですが、流行りの高設栽培をするとトマトと比較して栽培ベンチ代が高額になるので、トータル的にはトマト設備よりも少し安くなる程度と考えたほうが良いでしょう。

イチゴ栽培の強みは「観光」との相性が非常に良いことです。観光イチゴ狩り農園が非常に増えていますが、やはり観光とコラボレーションすることで入場料として単に作物を販売するより高い収入を得ることができるからです。
 
また、一般の消費者から見てトマトはあくまで野菜ですが、イチゴはフルーツとしての位置づけになるので、消費者も多少高くても購入しやすいということもあり、農作物として販売する場合も単価を高く設定しやすいというメリットもあります。
 
さらにスイーツとの相性も良いので、飲食店とのコラボなどもしやすいのも利点の一つといえると思います。
 
ただし、トマトと比べると栽培に関しては若干難しいということも言えると思います。
詳しくは他の記事を参照してください。
 
 
ともあれハウス栽培では高額な初期費用がかかるので、栽培する作物の収益性をしっかりと吟味する必要があります。
ハウス栽培を検討する際にはしっかりと作物の特性・販売モデル・収益性を見極めるようにしてくださいね!

【問い合わせ】
TEL 080-3396-5399
MAIL t.ogawa19720117@gmail.com


【関連記事】--------------------------------------------------------------------







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?