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呪ってばかりの自分にグッバイ!

親族に、とにかく苦手な爺さんがいる。

あの世代にはありがちだけど、まず女を下に見ている態度が腹立たしい。「おーい、お茶!」と言えばどこからかお茶が湧き出てくると思っているタイプに違いない。

そんな我が宿敵がちょっと大変な病気になったらしい。その連絡を受けたのは母からで、開口第一声が「あんた、あの人のこと呪ってないでしょうね?!」だった。

「呪ってへんわ!知らんけど!」と答えると、母はゲラゲラ笑っていた。ちなみに母はその爺さんを私以上に嫌っている。

フリーランスになりたくて会社を潰してしまった(とも言える)

呪いというか、自分にはスピリチュアルな力があるのかもしれない、と気付いたのは33歳の頃だった。

副業として始めたパーソナルスタイリストの仕事が軌道に乗ってきて、ついに月の売り上げが会社員の収入を越した。もしかしたら、もしかして、フリーランスでもやっていけるのかもしれない。

淡い期待を胸に抱きつつ決断ができずにいたら、なんと勤めていた会社の方が潰れてしまった。こうして私は、晴れてフリーランスデビューとなった。

その他にも、行きたくないなぁと思っていたら道中で事故が起こって引き返すことになったり、習い事を解約する理由を探っていたら移転で閉店することになったり。

小心者で自分から言い出せないので、いつも腹の中であぁなれ、こうなってくれ、と願っていた。それが思いがけないタイミングで叶っていく。いわゆる引き寄せの法則に近いのかもしれない。

便乗型人生の成功法則と呪い

私の人生って、自分から行動を起こせずにいたら相手方の都合で結果的に思った通りになる、というパターンがすごく多い。

かくして「自分から積極的に動かない方がうまくいくのではないか」「むしろ自分から決断すると失敗するのではないか」というマイ法則が生まれてしまった。

それが転じ転じて、母の中で”呪い”というパワーワードになってしまったのかもしれない。別に藁人形を作ってるわけじゃないけれど、うっかり「このヤロ〜〜〜!」とパワーを込めている可能性は大いにある。

爺さんを変えることはできないので、だったら相手が不幸になって消えてしまえと私が呪ったに違いない、と母の中でガッテンしたようだった。なんてこった!

親になって変わった気持ちと引き寄せの法則

そんな便乗型の人生を送ってきた私だけれど、自分が親になって以来できるだけ呪いを使わず、不満や不安がある時は言葉か態度で示そうという気持ちに変わってきた。

きっかけは政治だった。お恥ずかしながら子どもを産み育てるまでほとんど関心がなかったけれど、視点に「我が子」が加わると、やっぱり黙っていられない。

何も言わないと、なかったことにされてしまう。それが何より怖い。

政治だけではなく、普段の人間関係やビジネスやパートナーシップ、あらゆる場面でそう感じるようになった。

引き寄せの法則は究極の自己責任論だと思う。あなたが見ている世界、感じている感情、それは全てあなたが望んだ世界ですよ、ということだ。

もちろん人間は、脳に入ってくる膨大な現象の中から関心のあるものだけに的を絞って見せてくるので、一理あるのかもしれない。ただ、どうしようもない不安や絶望に直面した時、それを全て我が願望として背負うのは、なんと残酷なことだろう。

日本人は良くも悪くもエネルギーの矛先が自分に向かいがちだ。だから抱えきれない事もなんとか抱えようとして心のバランスを崩してしまったり、もしくは私のように呪いという姑息な手段に出る人もいたりするのかもしれない。知らんけど。

もう呪いに頼らなくてもやっていけるから大丈夫

さて、時を戻そう。今年は33歳と同じく本厄に当たる。関連はわからないけれど体調もすぐれず、心なしか仕事や人間関係のトラブルも多いような気がする。

実は最近、もうこんな奴は呪ってやろうかと思うことがあったが、我慢した(えっへん)。

1時間かけて文章を綴り、LINEで送りつけた。期待するような反応はなかったけれど、泣き寝入りせず伝えることができただけで私としては大優勝だ。大丈夫。呪いや成功法則に頼らなくても、私はちゃんとやっていける。

そう考えると、時の首相なんていうのは日本中からの呪いを受けているのかもしれない。

それでもピンピンしていられるのは本人の気力なのか、もしかすると呪術者や陰陽師を雇っていたりするのかも?!なんて、しょーもない想像をした昼下がりでした。

それでは、明日も良い日になりますように!




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