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第一回「本日はケアマネ日和」

「本日はケアマネ日和」連載をスタートいたします。
 
ケアマネジャーの人材不足が叫ばれる中、ケアマネジャーの仕事をいきいきと楽しまれている方からお話を伺い、未来のケアマネジャーのあり方をヒントを得られたらと思っています😊
 
 
 今回お話を伺ったのは、神奈川県茅ケ崎市で居宅介護支援事業所の管理者と法人運営にも携わっていらっしゃる川口美幸さんです。

kaigoカフェにて発表して頂いている時の川口さん

Q&Aの形でお話を伺っていきながら、ケアマネジャーの仕事の魅力に迫るインタビューにできればと思っています。
 

Q数ある仕事の中で、介護の仕事を始めたきっかけは?

もともと人のケアが好きだったから…。性にあってたかな。でもいつかケアマネジャーになろうと決めていました。


 
Qこれまでどんな形態の事業所で働いてきたのでしょうか?

初めに、老人保健施設にて現場の介護職員とケアマネ、半々の体制で1年程度勤務しました。その後居宅介護支援事業所に勤務し、数か月間、訪問介護事業所のサービス提供責任者としても勤務しました。以降は同じ事業所でケアマネジャーとして現在まで勤務しています。基礎資格は介護福祉士。主任介護支援専門員で現在管理者をしています。

利用者さんとのお写真

Qケアマネジャーの働き方、キャリアについては何か思うところはありますか?

当事業所には2名しかケアマネジャーがいないので、毎週何曜日にミーティングという形は設けておらず、随時顔を合わせた時に雑談も交えて情報交換したり相談を行なっています。ICT化がまぁまぁ進んでいる状況で、一人一台ノートPCとスマホを貸与されているので、事業所以外の自宅や出先、車内などでも事務処理は行えています。2名とも法人の運営としてのマネージメントチームに入っているので(代表含む計4名)、ケアマネ業務以外の負荷がかなり重く、今はそちらに対するストレスの方が大きいかもしれません。法人としての立ち位置はCOO(chief operating officer)になります。


 Qケアマネジャーに求められる力としてはいかがでしょうか?

制度を読み解く力や様々なスキルが必要ではありますが、想像力(イメージすること)と創造力(創り出すこと)も忘れてはいけないですね。どのタイミングで何を引き出すか、そしてそれをどう繋げていくのかといった難しさはありますが、その人の人生をコーディネートする事の楽しさやクリエイティブな仕事である事が実感出来れば、ケアマネジャーの仕事は魅力に溢れたものになるのではないでしょうか?

ケア・カフェしょうなんの開催時の様子

Q本来業務以外に取り組んでいることはありますか?それを行うことによってプラスになっていることはあるでしょうか?

最近は頻回には開催していませんが「ケア・カフェしょうなん」という、介護医療の職種ではない方も交えての勉強会を主催しています。茅ヶ崎という地域に関しては、「バリアフリービーチ」の促進を茅ヶ崎市とともに進めており、有志ボランティアチームとして「Luana(ルアナ)」を仲間と立ち上げ、毎年サザンビーチでイベントも開催しています。昨年度は茅ヶ崎市がモビマットを購入してくださいました。現在、モビマットは市内希望者に無料で貸し出しOKな状況です。他には「主介護者のお茶会」や、法人内のデイサービスの休みの日にスペースを借りて「近隣の高齢者のお茶会」なども開催しています。正直に感覚を話すと、本来の業務以外という意識が薄く、もちろんお給料を頂いてる時間に行うこととそうではない事の区別はしていますが、意識としては常に延長線であり一体であり、自分の将来を含めて彩り豊かな人生を創る一貫として捉えています。それゆえに様々な場面での課題は他にも繋がっているので、課題解決の糸口を多角度で捉えられたり、協力者ネットワークが広がり仲間を多く得られたりと良い事がいっぱいだと感じています。

※モビマットモビマット(Mobi-mat)は、高密度ポリエステル製のマットで、砂浜や公園、雪上などの荒れ地に敷くことで、車いすやベビーカーなどの通行の他、あらゆる人の歩行を容易にする製品です。

バリアフリービーチ開催の様子


Qこれから自分自身のプランをどのように考えていますか?

今色々と模索中です。もう少ししたら仕事のペースを落として、生活の基盤をどのようにするか色々イメージをしたり準備をしたりしている所です。わくわくしますね。   

利用者さんとのお写真


居宅のケアマネジャーになって約11年。「私は少し面倒なケアマネジャーかもしれない。」と自分の事を言われるのは、何度も現場に足を運んで一緒に考えて何度もセッションをする、それが川口さんのスタイルだから。「私達の仕事はここまでと思わずに、自分の大切な人だったらどうするのか。」という問いを繰り返しながらプランニングをする。様々な思いを巡らせて、いくつかの可能性を考えて作り出す川口さんのケアプランは彩り豊かなプランなのではないかと想像します。 

ケアマネジャーはその人の人生をコーディネートする役割。どんなハーモニーがうまれるか等、川口さんと話をしていると介護の世界の事では無いような錯覚になります。介護と聞くとどこか暗い、重い印象を受ける人が多いと思いますが、川口さんの話には“色”があって軽やかな印象を受けます。介護の世界には喜びがあって、様々な可能性があって楽しいものなんだと改めて気づかされます。

 川口さんのようにその人の暮らしに想いを巡らせながら彩りあるプランを作り出せる、そんなケアマネジャーでありたいと感じました。 


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記事執筆 中尾 由佳里
ケアハウスや特別養護老人ホームの相談員、居宅介護支援事業所の管理者を経て現在は在宅医療・介護連携支援センターに勤務。高校生の頃から相談援助の職に就くことを目指し、今もなおこの職に魅力を感じている。散歩をすることが好き。


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